フェリペ国王とレティシア王妃が甚大な洪水被害に見舞われたバレンシア州を訪問。「恥を知れ」と地域住民が夫妻に向かって泥を投げつける大惨事に【SPURセレブ通信】
先月末の甚大な洪水被害により、200人以上の死亡が確認され、いまだ壊滅的な状態にあるスペイン東部のバレンシア州。2024年11月3日(現地時間)、バレンシア州の中でも特に甚大な被害を受けた町パイポルタを、フェリペ国王(56)とレティシア王妃(52)がペドロ・サンチェス首相(52)、カルロス・マソン州知事(50)らとともに訪問した。 【写真】国王夫妻の顔は泥にまみれ…… 被災地では、政府が洪水被害への早期警報や事後支援を十分に行わなかったとして、地域住民が激憤する事態に。 英メディア『The Guardian』によると、洪水の危険性が高まっているにもかかわらず、政府から避難警報が発令されたのは、国営気象庁が状況悪化を警告してから何時間も経った後のことだったそう。 英メディア『BBC』によると、被災地では多くの人々が国王夫妻に対して怒りをぶつけていた様子。 ある男性は、「あなたたちは私たちを見捨てた。あまりにも判断が遅すぎた」「(政府は)知っていたのに何もしなかった。恥知らず!」と叫びながらフェリペ国王に掴みかかり、別の女性は、「政府は私たちをほったらかしにした。私たちが死んだって構わないと考えている。何もかも失ったのに。商売も自宅も夢も」と話していたという。 道を歩く国王夫妻に対し、地域住民が「人殺し」「恥を知れ」などと叫びながら泥を投げつける事態も。国王夫妻の顔は泥にまみれ、ボディガードの顔には、投げられた物が当たったことによる流血も見られた。 国王夫妻はそのような住民たちの主張に対し耳を傾け、理解を示していた様子。大混乱の中、人々の手を取り、抱きしめるフェリペ国王、そして涙ぐみながら慰めの言葉をかけ続けるレティシア王妃の姿がスペイン王室の公式インスタグラムに投稿されている。 なお、フェリペ国王は日本やイギリスと同様に政治的権力は持っておらず、今回のような災害時の判断などの主たる国の運営は、ペドロ・サンチェス首相率いる選出されたスペイン政府によって管理されている。スペイン内務大臣によると、ペドロ首相は同訪問中に抗議活動家から殴打され、警備チームによって避難させられた様子。 フェリペ国王は訪問後、バレンシアの当局者に対し、「被害に遭われた人々が経験したことや、彼らの怒り、苛立ちなど全てのことを考えると、緊急活動に関するすべての仕組みがどのように機能するかを改めて熟考しなければならない」とコメント。 現地に出向いた各メディアは、「国民から愛されるイメージを入念につくり上げてきたスペイン王室にとって、今回のような事態は前例がない出来事だ」と述べている。