米雇用統計に使う家計調査、サンプル数削減へ-指標内容への影響懸念
(ブルームバーグ): 米労働省労働統計局(BLS)は予算の制約を理由に、毎月の雇用統計で用いる家計調査のサンプル数を減らす。マッケンターファー局長が7日に明らかにした。
連邦政府の統計専門機関協議会(COPAFS)が開いた四半期に1回の会合で同局長は、2025年から月間のサンプル数を5000世帯分減らし、計5万5000世帯にすると述べた。特にここ数年、回答率が著しく低下しており、質の劣化という「現実的なリスク」があるとの認識も示した。
マッケンターファー局長は「調査費用が予算を上回るペースで増加している。これまで何とかやりくりしてきたが、サンプル数の削減が必要な状況になった」と発言。特に小規模の州で影響が出ると予想した。
米雇用統計は2つの調査から成る。雇用者数や賃金データを作成するための事業所調査と、失業率算出の基になる家計調査だ。規模は家計調査の方が小さい。
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7日に発表された5月雇用統計は、家計調査の結果が非常に弱い内容だった。失業率が予想に反して上昇し、この2年余りで最も高い4%に達した。家計調査をベースに算出される雇用者数は、今年に入って最大の減少幅となった。
これに対して、事業所調査に基づく非農業部門雇用者数は前月比27万2000人増と、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の全てを上回る好対照の結果を示した。
雇用統計に限らず、政府機関が実施する調査はいずれも、回答率の低下とデータ収集コストの増加という問題に直面している。
原題:US Jobs Household Survey Size to Be Cut Amid Budget Constraints(抜粋)
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Alexandre Tanzi