「(上田)綺世に限らず、FW全員がライバル」2年前に小川航基が抱いた使命感…「W杯ベスト8の壁を破るためには自分のようなFWが必要」
リーグ戦11得点「まだまだ足りない」
原点に立ち返った小川は、オランダの地で躍動した。 当初は日本のサッカーとの違いに戸惑ったが、磨き上げたゴールへのアプローチやポストプレー、前線からの守備と、能力をフルに発揮してスタメンに定着。その活躍が日本代表復帰につながっているが、自身で成長を実感する部分はあるのだろうか。 ――オランダのサッカーは小川選手にとって水があったのでしょうか。 「オランダでは、大きくて強いFWを置いて、そこにラフなボールを蹴り込んで収め、そこからサイドに展開をするスタイルが多かった。最初は『こんなシュートみたいなボールが飛んでくるのかよ』と手こずりましたが、すぐに受け入れて取り組むことが出来ました。クロスがどんどん飛んでくるのでゴール前で勝負する機会も多く持てたと思います。 ただ、1年間通して、自分の実力からすればもうちょっと点を取らないといけない。2桁得点は“最低ライン”。15点くらいで“まあまあ”。20点で“上出来”。まだまだ足りないと感じています」 ※リーグ戦11ゴール、その他公式戦4ゴール ――来季はもっとゴールを期待しています。もちろん、A代表での得点も。 「もう、日本代表に入ってすごいねということはないし、この場所で1つ、2つ頭抜ける存在になって中心にならなきゃいけないと思っています」 ――U-20日本代表でチームメイトだった堂安律選手や冨安健洋選手らに追いついたという感覚はありますか? 「それは全然ないですよ。彼らは日本のサッカー界にすごく大きな貢献をしていますし。ただ、前回のカタールW杯は多くの刺激をもらいました。大会が終わった時に『次のW杯で点を取るのは俺だ』と本気で思ったし、彼らはずっと僕の心に火を灯し続けてくれる存在ですね」 ――センターフォワードでは、カタールW杯に出場した1歳年下の上田綺世選手がいます。 「綺世に限らず、全てのFWに対してライバル心を持っています。Jリーグの選手でもいい選手だなと思ったら分析してきましたし、綺世もその中の一人です。彼の動き出しや点を取るポイントなど、直接本人の考えを聞きますし、切磋琢磨できている存在ですね」 ――森保ジャパンのなかで“1トップ”に求められるタスクは非常に多いですよね。それについてはどう感じていますか。 「森保さんが監督に決まった時から、1トップは守備もして、ボールも収めて、ロストも少なくて、点が取れる選手であるということだと理解していました。2列目は素晴らしい選手がたくさんいるからこそ、森保監督が求めるタスクを全てハイレベルでこなすことができる1トップが出てくることが、W杯ベスト8への壁を破る大きな要因だと感じています。今は、そこに自分が食い込んでいかなければいけないという使命感と自負があります」
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