『日本統一』山口祥行の最新作は『ぴっぱらん!!』。この映画、台詞がなくて楽だなって
◇所属事務所「トライストーン」の運動会に出場!? ――小沢さんから伺った話と全部逆です…(笑)。とはいえ、動ける山口さん相手ならではのエピソードですね。どんなトレーニングをしているんですか? 山口 : 痩せないように、そして怪我の防止にもなるように鍛えているだけです。走ったりはしていません。バーベルを上げているぐらいですね。本宮泰風さん、兄ィから「体の線が細いから太くしろ」と言われていて、それは絶対なので。 言われていなかったら、僕は普通に痩せていると思います(笑)。普段の僕は、ただの愛犬家ですし、生まれ変わったら俳優はやらないと思います。俳優って華やかな感じで見られていると思いますけど、実際には肉体労働者ですから。 ――生まれ変わったら、何になりたいですか? 山口 : 研究者になりたい。生まれ変わったら勉強して、デスクワークをやりたいです(笑)。勝矢が俺のことを「明るいオタク」と言うんですけど、工作など細かいことが好きで、プラモデルを作るのもうまいんですよ。 ――身体能力の高いイメージが強いので意外です。来年3月に開催される、所属事務所トライストーン・エンタテイメントの運動会(『Tristone Fan Fes2025 ~UNDOKAI~』)には出場するんですか? 山口 : これは強制ですから(笑)。50歳を超える俳優に「運動会に出ろ」だなんて、父兄じゃないんですから。うちの会社は20代が多いので「お前らが頑張ってくれよ」と思うんですけど……。 小栗(旬)社長から「走りましょう」と言われて、「20mだったらいいよ」と答えたんですけどね。だって50m、100mなんて走れないし。「それなら、ヤマさん。どの競技だったらいいんですか?」と聞かれたから、「アーチェリー」と答えました。これなら一番動かなくていいし、外れても笑いが取れると思ったから(笑)。 ――身体能力がもったいないです。 山口 : いや、僕、身体能力はそんなに高くないと思います。JACの養成所では劣等生でしたし。当時は僕だけ中学生で、周りは高校生以上の実力のある大人たちだったから、練習についていくのが精いっぱいでした。 成長期が終わっても、ある程度動けるようになっていたのは、やっぱりJACで得た基礎が効いているのだと思います。それでも10年くらい前から、「もうアクションはそろそろ若い人に」と言ってるんですけどね……。まだまだ全然やらされています(笑)。 ――小沢さんという先輩がいるので、まだまだやめられないですよね。 山口 : あの人は怪物ですから、やめないですよ。60歳過ぎて、さらに火がついています。 ◇本宮泰風プロデュースの『日本統一』はライフワーク ――小沢さんは「50歳を過ぎて自由になった」と話していましたが、山口さんは50歳を超えて自分の変化を感じるところはありますか? 山口 : 僕は40代から、ずっと座って芝居をしたいと思っています。年齢も年齢なので、夢とか希望より棺桶のほうが近いですし(笑)。ただ、現場には携わっていたいんです。撮影現場は本当に楽しいし、自分には俳優しかできません。監督やプロデュース業は「どうしても、やりたい!」と思える作品と出会えたら考えるかもしれないけど、今のところ予定はありません。 むしろ、本宮泰風プロデュースの『日本統一』をライフワークと言っていいぐらい楽しんでいますし、一緒にいる時間が長いので、もはや親戚たちとやっているような感覚があります。本宮には100本までやってほしいと思ってます。 俳優兼プロデュースで100本やった人は日本にはいないと思うので、その記録を作れば、なかなか破られないと思っているんです。泰風には名を残してほしい。まあ、僕らがいなくなっても若いヤツらが継いで、代替わりして『日本統一』はやっていけると思います。 ――任せられる若手はいますか? 山口 : 楽しみな人はいっぱいいるけれど、やっぱり、川﨑健太と北代高士には特に頑張ってほしいなと思います。北代も頼もしくなってきたけど、まだまだ次世代。健太は若くて才能豊かだし、これからが楽しみですね。 ――100本を超えたお祝いも楽しみですね。 山口 : それが……50本を超えたとき、何もなかったんですよ。1日に台本にして、25~40ページくらい撮るので、常に時間に追われているからか、何本までいったか意外と現場では気がつかないものなんです。 でも、たまに打ち上げはやっていて、そのときは無礼講で下克上になるので、僕は上のほうだから下に怒られて(笑)。監督やスタッフも随分と歳を取りましたが、『日本統一』はみんな慣れているから、撮るのが早いんです。テスト1回で本番。スケジュール通りに進んで、夜遅くまで撮影することもありません。 ――山口さんはどうして、そんなに現場が好きなんですか? 山口 : 現場はすごく楽しいです。歳を取れば取るほど、楽しくなってきました。若い頃のほうがOKをもらっても“本当にOKだったのかな……”と不安で、「本当に大丈夫でした?」と聞いたこともありました。今は逆に「OK」と言われたら、“OKだぜ!”って簡単に思える(笑)。 若い頃のような不安はないですし、趣味に近いのかもしれません。あとはやっぱり、昔から映画を見るのが好きだったので、そこに携わっていられることが幸せなんだと思います。 (取材:髙山 亜紀)
NewsCrunch編集部