JR津軽線・蟹田-三厩間、鉄路廃止は2027年度春目標 現在運休中、新たな交通担うNPO法人設立へ
JR東日本は5日、津軽線・蟹田-三厩間(青森県外ケ浜町と今別町)の鉄路廃止時期について、2027年度春を目標に手続きを進めていると明らかにした。同区間は運休中で、既に鉄路廃止と、バスやタクシーへの転換で両町、県と合意しており、24年度中に書面で取り決める予定。JR東は26年度に鉄道事業の廃止届を国へ提出し、新たな交通体系を担うNPO法人を設立する。 同日青森市で開いた会見で、JR東盛岡支社の担当者が説明した。両町、県に目標時期を提案しており、自治体側の合意が得られれば、27年度の廃止に向けて調整する。 同社は現在、鉄道用地の一部無償譲渡など基本合意書の内容について両町と協議を進めている。盛岡支社の井上宏和・企画総務部担当部長は「町側に対し、一方的に合意を押しつけることはしない」と述べ、書面を取り交わす時期次第で鉄路の廃止がずれ込む可能性があるとした。 鉄道事業廃止の約1年前に国へ届け出る必要があるため、廃止届の提出は26年春ごろとなる見通し。廃止後、代替交通として運行中のバス、乗り合いタクシーを新たな交通体系として運用する。 NPOはJRからの出向社員や自治体職員で構成し、一部地区で運行ルートが重複している同社の代替交通と2町の町営バスを一括運用して効率化を図る。 津軽線・蟹田-三厩間は22年8月の大雨被害の影響で運休が続いている。JR東、両町、県などは同区間の利用者の減少が著しいことなどから、5月に鉄路の廃止とバス、タクシー転換の方針で合意した。