空から海王丸点検 ドローンで安全、効率化
●射水の財団、来年度 撮影動画はPRに 射水市の観光名所「帆船海王丸」で来年度、メインマストなど高所の安全点検にドローンが導入される。維持管理に当たる伏木富山港・海王丸財団ではこれまで、スタッフがマストに上って点検していたが、落下の危険があり時間も掛かっていたためドローンに切り替える。上空から撮影した動画は誘客PRにも活用し、海王丸を地域の貴重な財産として発信していく。 海王丸では、展帆作業を行うボランティアや従業員の安全を守るため、定期的に航海士らが安全点検を実施している。ただ、一番高いメインマストは甲板から先端まで42・5メートルあり、高所での作業に危険が伴うことが課題となっていた。 海王丸財団は8月、高精細な4K画質の映像が撮影できるドローンを購入。試験的に総帆展帆実施時や点検時など計10回程度、撮影を行った。画像の精度は点検用として問題なく、後から繰り返し確認できるメリットもあるため、来年度からは本格的に活用し、作業の効率化を図ることにした。 観光PRや総帆展帆ボランティア募集の映像にもドローンが撮影した動画を活用予定で、地上からは見られない迫力ある映像や写真をホームページ上で公開する。海王丸財団の担当者は「多くの人に素晴らしさを感じてもらえるよう活用していきたい」と話した。 ★帆船海王丸 1930年2月に進水し、商船学校の練習船として59年間で地球約50周分を航海した。射水市の海王丸パークでは1992年から一般公開している。以降、年に10回程度実施される「総帆展帆」や子どもらの海洋教室などで活用されている。