藤井聡太棋聖「引きずらずに切り替えて、やっていければ」8冠陥落後の心境明かす/一問一答
将棋のヒューリック杯第95期棋聖戦5番勝負で棋聖5連覇を達成し、棋聖通算5期獲得により、史上最年少で自身初の「永世称号」の資格を得た藤井聡太棋聖(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将=21)が2日、第3局が行われた名古屋市「亀岳林 万松寺」で一夜明けの心境を語った。 会見での主な一問一答は以下の通り -史上最年少で自身初の「永世」称号を獲得。昨夜はよく眠れたか 藤井 そうですね。とくに寝付けないことはなく普段通りだったかなと思います。少し対局のことを振り返ったりもした。 -一夜明けの心境は 藤井 20年に私自身が初めて獲得した棋聖のタイトルで永世称号を獲得することができてうれしい。 -今シリーズを振り返って 藤井 山崎八段は力戦系を得意にされていて、序盤から独創的な将棋を指される。これまでとは異なり、普段は指さない将棋が多く、勉強にもなり、考えていてもおもしろいと感じるところも多かった。 -今後の抱負を 藤井 引き続き、実力を高めていくことが一番の目標。これまでに永世称号を獲得された方と同じように長期間にわたり活躍することができればと思います。 -6月20日の叡王戦第5局で同学年の伊藤匠(たくみ)七段に敗れ、8冠陥落した。いま振り返って、当時の心境は 藤井 残念な結果ではあったが、急所の局面でミスが出てしまった。仕方がないかなという気持ちもあった。引きずらずに切り替えて、やっていければと思っていた。それほど、大きく変わらず過ごしていた。 -ミスが出た要因は 藤井 (すべての消費時間を加算する)チェスクロック方式の対局は比較的、苦手にしていたところがあった。今回の叡王戦でも残り時間は切迫してきたときに対応していくことができず、ミスにつながってしまった。 -6日からは渡辺明九段が挑戦者となる第65期王位戦7番勝負が開幕する 藤井 王位戦に向けていろいろと準備したい。 -21歳11カ月での「永世称号」の資格獲得は、中原誠16世名人(76)の23歳11カ月の史上最年少記録を53年ぶりに更新した 藤井 最年少は意識していなかった。中原16世名人は時代を築かれた方の記録を更新できたのはうれしい。ただ、私自身は中原先生と比べると、当然ながら実績は及ばない。今後、よりしっかりと取り組んでいかなければいけない。