37年ぶり大雪の福井地方、伝説となっている「五六豪雪」とは
日本上空に流れ込んだ非常に強い寒気と日本海に発生した雪雲の影響で北陸地方、特に福井県では1981(昭和56)年に記録した五六豪雪以来、37年ぶりの大雪となっています。福井県で語り継がれる伝説の「五六豪雪」とはどんな大雪だったのでしょうか。
5月まで雪が残った「五六豪雪」
日本海側を中心に大雪をもたらした昭和56年のいわゆる五六豪雪。中でも、前年の1980年12月から断続的に雪が降り続いていた福井県嶺北地方では、1月4日から10日にかけて特に激しく雪が降り続きました。その結果、同15日には最深積雪196センチを記録。国鉄北陸本線(当時)は完全にマヒし、私鉄は不通になるなど、陸の孤島状態に陥りました。 さらにこの冬は一シーズンの降雪量としては、福井地方気象台の観測で最も多い622センチを記録。気温が低い状態が続いたこともあり、積もった雪がなかなか解けず、河川や公園なども除雪した雪で“満杯”に。雪捨て場となった福井県庁を取り囲む旧福井城のお堀には、ダンプカーおよそ5万台分の雪が運ばれました。 その捨てられた雪が、お堀内にある5階建ての福井県警本部の高さと同じくらいになり、まるで山ができたように見えたことや、5月のゴールデンウィークが終わっても、その雪山が残っていたなど、“伝説”の大雪として福井県民に記憶されています。
213センチの積雪を記録した55年前の「三八豪雪」
同様に、福井県民の記憶に残る豪雪として知られるのが、今から55年前の1963(同38)年「三八豪雪」です。このときも前年12月ごろから、北日本を中心に記録的な寒さと積雪に見舞われていましたが年が明け、1月に入ってからは、日本海側を中心とした広範囲で断続的に降雪が続きました。福井市では1月31日に、同気象台の観測で最深となる213センチの積雪を記録。雪崩被害もあり、この豪雪により、県内31人が亡くなりました。 雪の対応に慣れている福井県でも、このときの雪の脅威を忘れないよう、集落が孤立したり、玄関前の雪かきや屋根の雪下ろしが追いつかず、2階から出入りしたエピソードなど、こちらも伝説の豪雪として各家庭で語り継がれています。