植草歩 前歯を折りながら空手をアピールしたことも 看板娘として東京五輪採用に尽力
空手の組手女子61キロ超級で2021年東京五輪代表の植草歩(31)が1日、引退を発表した。7月のフィリピンでの国際大会が引退試合となる予定。 帝京大卒業とともに競技から離れる予定だったが、東京五輪で正式種目入りの可能性が浮上。在学中に全日本空手道連盟が設けた会見では「あの夢の舞台で優勝します」と、「当時は思ってもいない嘘を言って」追加種目採用をアピールしたこともあった。空手界の顔として、競技普及に努めてきた。 イベントやテレビ出演のオファー、取材の要請にも積極的に応じ、競技の魅力を発信した。「空手界のきゃりーぱみゅぱみゅ」と呼ばれた。当時の主な発信ツールだったブログもマメに更新し、ファン層を拡大した。 15年6月、追加種目入りを目指すPRイベントでのことだった。組手のデモンストレーション中に前歯を折るハプニングに見舞われたこともあった。相打ちになった際に相手の拳が口に命中。「小学3年生から空手を始めて、ついにやっちゃった」。競技人生初めての惨事も、笑顔で覆い隠した。空手とともに生きた、小学3年からの20年超だった。
報知新聞社