【英国】効率化で政府支出5%削減 財務相、各省庁に見直し要請へ
英国のリーブス財務相は各省庁に対し、効率化による5%の支出削減を求める方針だ。来年6月に公表する向こう3年の支出見直しの一環で、政府の優先政策以外の分野で無駄な支出を撤廃するとしている。BBC電子版が10日伝えた。 リーブス氏は、財界や学界、シンクタンクなどの専門家から成る「チャレンジ・パネル」を設置。各省庁は、同パネルと共に予算を洗い直し、無駄な支出を見極めた上で、向こう3年に5%の支出削減を実現するよう求められる。同パネルには、金融大手ロイズ・バンキング・グループやバークレイズ、生活協同組合コーポラティブ・グループ(コープ)の元トップが名を連ねている。 各省庁の支出の見直しに当たっては、政府が2029年の次回総選挙までに達成を目指す「プラン・フォー・チェンジ」の政策6項目に向けた支出を優先する。これには、生活水準の向上や住宅建設、国民医療制度(NHS)の待機時間解消、警察官の増員、未就学児の支援、脱炭素化が含まれる。加えて、政府はすでに国防費の拡大も約束している。 リーブス氏は、「政府支出は全体として増やす方針だが、公共サービスの無駄な支出を廃することは重要だ」と指摘。「効率化によって節約した資金を、国民のための優先課題に投じる」としている。