新たな「龍が如く」で描く“矛盾”を抱えた桐生一馬 武正晴監督が語る実写ドラマの狙い
物語の中核を担うのは、原作ゲームでもお馴染みのキャラクター、桐生一馬(竹内涼真)と錦山彰(賀来賢人)だ。児童養護施設でともに育ち、家族のような絆で結ばれた2人だが、極道の世界に身を投じ、あることをきっかけにその関係は徐々に崩壊していく。
桐生について、武監督は「少し矛盾している主人公を描きたかった」と説明する。「桐生は劇中『俺たちは誰も殺さない』というセリフを放ちます。ヤクザは他律で、上からの命令は全て聞かなければならないところもありますが、(桐生が)そうではない主人公だったらどうだろうと思いました。『俺たちは誰も殺さない』と言い続けてヤクザを続けている。それが、2005年(のパート)で“反省”として出てきたりもします」
一方、錦山については「もともとヤクザの世界に憧れているわけでもないけど、桐生と一緒にいることを選択したことで、変な運命に巻き込まれていく」と説明。同役を務める賀来と初めて会った時に、「夏休みが終わったら、急に変わってしまったヤツ」と伝えたという。 「夏休み前とは全く変わってしまったような、急激に怖くなった男をどうやって表現するのか。(10年の間で)『一体何があったんだ?』という錦を描けないかと話して、賀来くんが『面白いっすね』と言っていたことを覚えています」
もちろん、実写ドラマには原作ゲームのエッセンスも忘れない。「地下格闘技場のシーンであったり、桐生が初めて“あの服”を着るタイミングなど、(原作ファンに向けて)そういったシーンも用意しています」
武監督はまた、普段ゲームをしない視聴者の反応も気になるという。「(原作ファンと新規層の)バランスをどう取るのか。お客さんたちの反応がどういう風に出るのかは、まだ想像がつきません。まずは、実際に観ていただいて、(反応を)楽しみにしたいです」と期待を寄せていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
Amazon Originalドラマ「龍が如く ~Beyond the Game~」第1話~第3話は Prime Video にて世界独占配信中(第4話~第6話は11月1日に配信/全6話)