スポーツは誰かの力になる【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第98回
繰り返しになりますが、野球がなくても私たちは物理的に生きていけるでしょう。それでも、野球がないと心が豊かにはなりません。 当たり前のように日常にあったけど、失って初めて気がつくことはたくさんあります。そんな時に気づくのは、「スポーツは心の栄養なのだ」ということ。今はまだ被害の大きさに呆然とするばかりでしょうが、被災地のみなさんがそう感じる日が早く来るといいと思います。 スポーツができるというのは復興の象徴でもあります。戦後のプロレスやプロ野球のように、暗い記憶から明るい未来へ向かう大きな力になります。今回の被害に遭われた方の心中を察することしかできませんが、私たちは募金などで応援をしています。 プロ野球には北陸シリーズもありあすから、それが開催されることを今から祈っています。いつか、野球が能登半島を始め、日本中に力を与えてほしいと思います。 1日でも早く、開幕を楽しい気持ちで迎えられるような日が来ますように。日本が被災地に思いを馳せていることを忘れないでほしいと思います。 ★山本萩子(やまもと・しゅうこ)1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。2019年から5年間、『ワースポ×MLB』(NHK BS1)のキャスターを務めた。愛猫の名前はバレンティン 構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作