俳優・宍戸錠さん死去 多くの人々に愛された昭和の大スター
日活アクション全盛期の大スターとして親しまれた俳優の宍戸錠さんが死去したことが21日わかった。享年86。マスコミ各社が一斉に報じている。宍戸さんは都内の自宅で倒れていたという。
宍戸さんは1933年大阪の出身。青年時代は文武両道を絵に描き、一時はプロか実業団で野球をやるか、それとも俳優をやるか考えたという。日本大学藝術学部に進学したが、2年のとき日活に合格したため中退。1954年、日活ニューフェイス(第1期生)として入所する。当初はハンサムキャラだったが、1956年にトレードマークとなる豊頬手術を受け、アクの強い個性的な悪役となってブレーク。ハードボイルドな役柄で、日活アクションでは小林旭らとともにスターダムにのし上がり、「エースのジョー」として多くの人に親しまれた。小林旭主演「渡り鳥」シリーズ、「流れ者」シリーズでは、小林に勝るとも劣らない人気を博した。 その後はテレビに活動の場を移し、ドラマをはじめ「巨泉×前武ゲバゲバ90分!」で出演したり、長男・宍戸開とともに「くいしん坊!万才」のレポーターを務めるなど昭和のお茶の間で幅広いファンに愛された。 2006年には虚血性心不全と診断され入院、手術を受けた。また、10年4月16日には妻の元女優、游子さんと死別している。その後13年には自宅が全焼するなどの不運もあった。 数多くの映画やドラマなどで活躍し、人々の心に残る俳優だった。 (文・志和浩司)