なかなか見られない光景! ウーバーイーツ配達員が外国人の店で体験した出来事【チャリンコ爆走配達日誌】
受け取りに行って楽しいのは、注文が届いているのを完全に忘れてしまった時のリアクション。どんな店でも注文が来ているのを忘れてしまっていることはごく稀にですがあります。 その際、日本のスタッフの場合は「今、作っていますのでしばらくお待ちください」「注文が結構入ってまして、時間がかかります」など、配達員に忘れていたことを隠しつつ、時間がかかることを伝える人がほとんど。ですが、海外のスタッフの方はあわてて注文用のタブレットを確認。画面を見ながら目を大きく見開き、少しの間固まった後に配達員のところに来て「すっかり忘れてました。これから作ります」と声をかけてくるスタッフが多いです。 多くの配達員は、規定の配達回数をクリアするともらえる「クエスト」というボーナス狙いで仕事をしているので、待ち時間が長いことを告げられると配達をキャンセルします。ですが私は、時間がかかろうがキャンセルしません。なぜなら「待ちますよ」と告げると「店で待っててください」と言ってくれるからです。空調完備の店内は配達員にとっては天国のような環境。しかも、店側にミスがあった場合、待機中にドリンクを出していただけるところが結構あるのです。 外が35度を超える猛暑の日に冷房の効いた部屋で飲むインド料理店のラッシー。気温5度の寒い日に暖房の効いた部屋で飲むホットウーロン茶。自転車で配達している私にとって、こういう待機時間は最高のひと時です。 こんな感じで、日本のスタッフの方が多い店では経験できないことがあるので、私は外国の方がやっている店に商品を受け取りに行くのが大好きです。 文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明