風呂にも入れず、部屋はゴミ屋敷に…「人を信じられない」35歳男性が結婚しようとして、「地獄」へ
疑心暗鬼に陥るように
「僕たちは同じ会社に勤めていたので、仕事終わりによくデートをしていました。それぞれ帰宅の途に就き、彼女の姿が見えなくなると『今どこにいるんだろう……』『もしかして他の男性と一緒にいるのでは? 』と疑心暗鬼に陥るようになって。その思いをそのままLINEで彼女にぶつけるように。少しでも返信が遅いとイラついて、さらに何度もメッセージを送りつけました」 達也さんは自身の強い嫉妬心に気づいていたものの、それを手放すことができなかったという。その結果、二人はけんかばかりするようになったのだとか。次第に彼女からの連絡は減っていき、何かと理由をつけては達也さんと会うことを避けるようになった。
予想外の展開に
「さすがにこの状況は良くないと思い、彼女と話し合いの場を設けることにしました。重苦しい空気が漂う中、彼女は口を開くと『他に好きな人ができたの、だから私と別れてほしい』と告げたのです。僕との関係について同僚に相談しているうちに、相手を好きになってしまったと言うじゃないですか。『これ以上束縛しない』と約束すれば、すべて解決すると考えていたので、予想外の展開に頭が真っ白になってしまいました」 しかし次の瞬間、達也さんは一気に怒りが込み上げたという。父と同じようにやっぱり彼女も浮気をしたじゃないかと思ったからだ。成実さんに「ただの片思いで、相手と付き合っているわけじゃないから浮気ではない」と否定されるも納得できず。相手に好意を抱いた時点で浮気だと考えた。
疲れ果て、セルフネグレクトへ
「やはり結婚なんて自分には向いていなかったのだと思いました。どんなに信用していても、結局は相手に裏切られるのだと痛感して。かつて父の浮気で嫌と言うほど思い知らされていたのに、今回も彼女に騙されてしまったのです。これを機に、僕は自暴自棄になってしまいました」 それからというもの部屋はごみだらけになり、まるで子どもの頃の生活に逆戻りしてしまった。 「疲れ果てて何もやる気が起きない日々が続きました。お風呂にも入らず、ほとんど着替えもしないで、食事の回数も減っていって。元カノと同じ会社なので、顔を合わせたくない気持ちはあるものの、生活のために仕事場には通っています。でも、覇気のなさと身なりの悪さが目立ち注意を受けるばかり……。今も勤務するのがやっとで、いつまで仕事が継続できるかもわかりません」 彼女と別れたショックでセルフネグレクトに陥ってしまった達也さん。今回のように、子どもの頃のトラウマがその後の人生に大きな影を落とすこともあるようだ。同じ悪夢を繰り返さないよう、早めに誰かに相談するのも解決策の一つだろう。
菜花 明芽(ライター)