もしかして更年期?【基礎体温で知る】更年期のはじまり・閉経のサイン
女性の基礎体温は、月経のサイクルとともに上がったり、下がったりと変化しています。しかし、更年期を迎えると、その変化の仕方も徐々に変わってきます。その変化を知っておくと、自分が更年期に入ったのか、閉経が近いのかなどの目安にできるかもしれません。今回は、更年期に入ると基礎体温はどう変化してくるのか、紹介します。 〈写真〉もしかして更年期?【基礎体温で知る】更年期のはじまり・閉経のサイン ■基礎体温とは 先日、このような質問をいただきました。 「更年期には基礎体温の変化がなくなると聞いたことがあります。これって本当なんでしょうか。」(48歳・女性) 最初に答えをお伝えすると、本当です。更年期からは、基礎体温の変化が小さくなっていきます。基礎体温とは、ほとんどエネルギーを使っていない、安静状態の体温、つまり、生命維持に必要な最小限のエネルギーだけを消費している安静の状態の体温のことを指します。実際には寝ている間の体温なのですが、睡眠中に体温を自分で測ることは難しいので、起きてすぐの体温を測定するのが一般的です。この基礎体温は、女性の場合、月経サイクルに合わせて変化しています。 ■女性の基礎体温は高温期・低温期を繰り返す 女性の基礎体温は、低温期と高温期の2つのフェーズを繰り返しています。月経が始まると体温が下がり、約2週間の低温期が続きます。排卵日のころに体温は上昇し、次の月経が来るまでの約2週間、高温期が続きます。 もし、2週間以上高温期が続いて月経が来ない場合は、妊娠している可能性があります。 ■更年期には徐々に高温期が短くなる では、更年期にはどのように基礎体温が変化していくのでしょうか。 更年期とは、閉経の前5年、後5年の約10年間を指します。日本人の女性の場合、45~55歳ころに当たります。更年期に入ると、卵巣機能が少しずつ低下し、それに伴って基礎体温のパターンも変わり始めます。例えば、低温期と高温期の区別が難しくなったり、低温期と高温期の周期が短くなったりします。閉経が近づいてくると、これまでクリアだった2層のリズムがぼやけてきて、高温期が短くなります。そして、閉経以降は、高温期はなくなり、低温期が続くことになります。いわば、体が新しいフェーズに進んでいるというサインともいえます。 ■基礎体温を体の変化のバロメーターに 毎朝、基礎体温をチェックすることは、自分の体とコミュニケーションをとりながら、体調を確認できる方法だと思っています。更年期で自分の体が変わり始めているサインも見逃しにくくなるかもしれません。基礎体温を測り続けている方は、ぜひそのまま続けて、自分の体調の変化を確認してみてください。また、基礎体温を測ったことがない場合は、まずは基礎体温計を入手してみましょう。基礎体温計は「婦人体温計」として販売されていることが多く、通常の体温計よりも細かい0.01度の単位で体温を測定できるようになっています。体温は、朝目覚めてすぐ、寝たままの状態で口内で測定します。 一方で、基礎体温は気温や測り方、体調などによっても変化することがあります。少しの変化に神経質になりすぎず、自分の体調のバロメーターとして活用して、健やかな毎日を過ごしていきましょう。 文/永田京子 NPO法人 ちぇぶら代表理事、更年期トータルケアインストラクター 1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。口コミで広まり、企業や医療機関など国内や海外で講演を行い述べ3万人以上が受講。2018年カナダで開催の国際更年期学会で発表。
永田京子