『幻塔』×『エヴァ』コラボでは、シンジ・アスカ・レイの3人がエヴァと一緒に登場! 待望の『エヴァ』コラボや、ふたりの新キャラクターが追加される1.5周年アップデートについて開発陣に聞いてみた
アニメ調の美しいグラフィックと、自由度の高いオープンワールドアクション。そんな特徴をもって『Tower of Fantasy(幻塔)』(以下、幻塔)は2022年8月に日本で正式サービスを開始した。 『幻塔』画像・動画ギャラリー 先行してサービスを開始した中国国内では大きなヒットを記録していた本作。そして今、日本での正式リリースから1.5周年を記念し、新マップや新キャラクターを追加する大型アップデートが1月末に実施。さらに後にはあの『エヴァンゲリオン』とのコラボも待ち受けているなど、ここにきて新たな盛り上がりを見せている。 このタイミングで、今回は『幻塔』のグローバル版運営担当者であるPaden Du氏と、グローバルパブリッシングプロデューサーのSiyu Luo氏に、1.5周年アップデートの情報や、今後の『幻塔』の展望についてお聞きする機会をいただいた。気になる『エヴァ』コラボに関しても言及していただいているため、ぜひご一読いただきたい。 文・取材/久田晴 ■ふたりの新キャラ、大規模な新マップが追加される1.5周年アップデート ──今回はよろしくお願いいたします。まず1.5周年アップデートの内容についてお聞きしていきたいと思いますが、今回のアップデートで実装されるという新マップの規模はどの程度になるのでしょうか。 Paden Du氏(以下、Paden氏): 新マップ「水州」の規模は他の四州に近いですが、別枠として九域のメインシティである「ディスカバリー8号船」のマップ追加があり、この町の規模はミラポリス【※ 】の規模に近いです。 ──「ディスカバリー8号船」は特に未来っぽさあふれるイメージが魅力的ですが、新たなマップについて、特にユーザーに注目して欲しいロケーションやギミックなどはありますか? Paden氏: ディスカバリー8号船は、全九域に置いても最も特色溢れるマップと言えるでしょう。8号船自体は円柱型の宇宙船室であるため、建物は通常の地面だけではなく、周りの空間にも分布しています。その為、グラビティレールという環状道路を設計しました。グラビティレールの上にいる状態では、キャラクターにかかる重力の制御は常に道路に垂直するようになり、船内の壁や天井も楽に移動することができます。 また、水州には新しい謎解きギミックも追加されています。例えば、8つの八卦割符を探して活性化させる必要がある「玄機迷宮」。それ以外にも動源収集を加速するための「動源採取器」や、動源を投入するとさまざまな報酬を獲得できる「四相製錬炉」も追加しているので、プレイヤーの資源獲得方法はさらに増えています。 ──新たに追加されるふたりの新キャラクターについて、いまお話できる範囲内で特徴をお聞きできますでしょうか。 Paden氏: まずパロッティは、比較的珍しい空中戦特化キャラクターです。スキルを使用すると滞空状態になり、空中から超火力で攻撃することができます。 一方のヤノは、巨大な長槍を使った殺し屋です。彼女の注目能力の一つは、長槍を投げた方向に瞬間移動できるほか、自身の落下地点周辺のものを爆発させて大量のダメージをもたらすこともできます。 彼女たちの詳細と使用方法はここではネタバレしません。ぜひ、ご自身でプレイして試してください! ■『エヴァ』コラボではシンジ、アスカ、レイが登場 ──ありがとうございます。先日には『幻塔』と『エヴァンゲリオン』のコラボが発表され、広く注目を集めました。まだお話していただけることは限られているかと思いますが、気になっているユーザーさんも多いかと思います。 Siyu Luo氏(以下、Siyu氏): そうですね、『エヴァンゲリオン』とのコラボは24年上半期に開催される予定です。コラボストーリーは『エヴァ』の3人のキャラクターがアイダ星にタイムスリップし、エクセキューターたち一行と出会うことをめぐって展開します。 コラボには「碇シンジ」、「式波・アスカ・ラングレー」、「綾波レイ」、そして彼らのエヴァンゲリオンが登場します。特に「式波・アスカ・ラングレー」と「綾波レイ」はガチャにも登場し、プレイヤーたちとともに戦ってくれますよ。 ──なるほど。少し気の早いお話になってしまいますが、『エヴァンゲリオン』コラボ以外でも、今後の「Ver4.0」などで予定されている拡張の内容について、お聞きできますでしょうか。 Siyu氏: 前回の生放送では、現実世界とは独立した新しい「未来都市」にフォーカスする4.0の導入PVを公開しました。「Ver.3.6」のストーリーではすでに手がかりが見えていました。主役団一行もこれをきっかけに近い将来に新たな冒険の旅を始めます。 ──『幻塔』はリリース後、類似タイトルと比べても頻繁にアップデートが行われてきたタイトルであるような印象を受けます。今後ともこのハイペースな拡張は続けていかれるのでしょうか。 Siyu氏: 基本的には、私たちはプレイヤーの皆さんが遊べるコンテンツが常にあることを望んでいます。 しかし、具体的な実装ではアップデートの頻度を一定のペースに保つことは難しいです。通常、後続コンテンツの遊び速度と次のアップデートスケジュールに基づき、バージョンの継続時間を統合しています。 ──拡張の早さにあわえてお聞きしたいのですが、既存のものもふくめ、新規プレイヤーが既存プレイヤーに追いつきやすくするための、いわゆる「救済措置」的なサポートはどの程度まで考慮されていますでしょうか? Paden氏: この半年間のバージョンでは、新規のユーザーさんを対象とした多くのサポート内容を実装してきました。例えば、初期パーティ編成難易度を下げる為の「初心者ガチャ」や「初心者通行証」などですね。そしてクエストの難易度をクリアしやすくする調整や、手助けをしてくれる「師弟システム」も追加しました。 1.5周年の特別報酬には大量のガチャ券と選べるSSR武器が含まれており、このタイミングで『幻塔』を始める新しいプレイヤーさんが、より早くゲームに馴染むことを望んでいます。 ■これからのオンラインゲームに必要なのは「プレイヤーに対してフレンドリー」なこと ──少し業界的なお話になりますが、『幻塔』の運営において、特に日本市場での展開にあわせて意識されていたポイントはありますか? Siyu氏: 『幻塔』の運営で得られた経験は、市場の動向を把握して十分なローカライズを行う必要があるということです。 私たちはゲームコンテンツの設計を行う際に、日本のユーザーさんの好みを特に考慮しています。例えばキャラクターの設定を作るときなどは、日本のプレイヤーさんが好きなものや、馴染みのあるものをベースとするようにしています。ゲーム中のイベントも、日本の祝日を中心に展開していますね。 ──「プロデューサー」という視点からご覧になったとき、日本のユーザーの特徴として思い当たるものはありますか? Siyu氏: そうですね……コンテンツについて言えば、少し変わった複雑な遊び方をするものよりも、ルールが明確で楽しめる内容が豊富にあり、しっかりとしたガイドやチュートリアルがあることを好む傾向にあると感じています。 ゲームの運営という意味では、何か問題があったときに「公式のコミュニケーションが迅速かつ率直であるかどうか」という点を気にされる方が多いかと思います。運営が誠実に問題に向き合って解決したり、合理的な解決策を提示することができれば、発生してしまった問題が深刻なものでも理解を示してくださる方が多いのではないでしょうか。 また日本のプレイヤーさんはコンテンツの二次創作などに対して非常に情熱的で、本格的な創作などをふくめ、この一年半の間に多くの投稿をいただきました。皆さんの『幻塔』に対する愛を受け取ることができ、心から感謝しております。 ──SiyuさんはMMORPGなどオンラインゲームの運営のご経験が豊富にあるかと思いますが、特に近年で変化を感じる部分、意識している点などがあればお話していただけると幸いです。 Siyu氏: 最も大きな変化は、社交性を強調するMMORPGであっても、現在ではプレイヤーのオンライン要素のプレイ時間に対する要求が徐々に下がっていることです。年齢層が高まるにつれ、ゲームをプレイするために長い時間を確保することが難しくなっているのではないでしょうか。 たとえば『幻塔』のハードコアプレイヤーであっても、『幻塔』をふくめ複数のゲームを並行してプレイするタイミングもあるでしょう。そんな中、毎日固定のタイミングでオンラインゲームをプレイすることを強要するのは難しいと感じています。 私は、今のMMORPGではプレイヤーに多人数ならではのコミュニケーションや、没入体験を提供することにもっと焦点を当てるべきだと考えています。開発の上で重要視するべきはチームでの活動やシビアな挑戦条件ではなく、コンテンツの遊び方ではないでしょうか。プレイヤーの皆さんに対して、よりフレンドリーなゲームであることこそ、継続的にプレイしてもらえる理由になると信じています。(了)
電ファミニコゲーマー:久田晴
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