また日本で戦いたい…2年4ヵ月ぶりに韓国ツアー参戦のアン・シネ“セクシークイーンの新たな野望”
“セクシークイーン”の愛称で日本ツアーでも注目を浴びたアン・シネ(32)が、2年4ヵ月ぶりに韓国女子ゴルフツアーに姿を見せた。 【画像】すごい…!Tシャツスタイルのアン・シネ「プレー中に胸元から」……! 韓国レギュラーツアーの「S-OILチャンピオンシップ」(11月2~5日)に推薦出場。久しぶりのツアー参戦に国内メディアも注目するなか、初日は3バーディ、5ボギーの74、2日目も3バーディ、5ボギーの74で通算4オーバーの62位タイでフィニッシュした。予選通過には1打足りず、2日間で大会を終えた。 試合後は自身のインスタグラムでは、 「心臓がドキドキするのを感じました。本当に久しぶりに。悔しいけれどこれがゴルフ。それでも楽しかったし、うれしかったし、幸せでした。私のことを忘れずに応援してくれて感謝しています。またお会いしましょう!」 とメッセージを残した。 今も練習とラウンド、トレーニングを続けていることはインスタグラムでも確認できるが、まずは実戦でバーディが取れたことである程度、戦える自信を取り戻せたかもしれない。 彼女がこうして久しぶりに実戦に出場したのには理由がある。今月の日本女子ツアーQT(予選会)の出場を決めたからだ。 ’17年に日本ツアーに初参戦し、“セクシークイーン旋風”を巻き起こすほど、日本のゴルフファンから熱い視線を浴びた。’19年のプロテストも受験して合格。同年のファイナルQTも25位で突破し、’20年はレギュラーツアーでフル参戦を予定していた。しかし、コロナ禍による入国制限などで、日韓の行き来を断念せざるを得なくなり、その後はモチベーションの低下で自然と表舞台から消え去った。
“現役引退”を公の場で発表こそしていないが、ほぼ第一線から退いた生活を送っており、もう試合には出てこないと思われていたが、今夏、「日本ツアーに再び挑戦したい」と決心。今大会の出場前、国内メディア『スポーツW』に、現在の心境についてこう語っていた。 「韓国でのシーズンが終わる前に一度、試合に出てみたいという気持ちがありました。今月下旬に行われる日本ツアーQTに向けた準備をしています。日本に行く前に韓国で実戦を経験しておきたかったのが出場の理由の一つです」 また、日本のQTに挑戦しようと思った気持ちの変化についても明かした。 「ほとんど引退したような気持ちで生活していました。正式に最後を終えたわけではありませんが、もうゴルフというスポーツをプロフェッショナルな気持ちでプレーすることはできないと思っていました。ですが、最近になってから、最後にもう一度だけ頑張ってみたいという思いを抱くようになり、日本のQTにチャレンジしてみようと決心しました。準備する時間があまりなく、練習量も足りない部分もあるのですが、それでも時間は残っていると考えたい」 アン・シネはまず「ファーストステージ」(11月21~24日)に出場し、それを突破すれば、翌週のファイナルステージ(11月28日~12月1日)に進むことができる。近日中に日本入りし、試合会場となるゴルフ場をラウンドして、本番に備える予定だ。 今もタイトなウェアなど“見た目”が話題になりがちだが、そもそも韓国ツアーではメジャー1勝を含む3勝の実績を持つ選手だ。「実力で認められたい」という思いは変わらない。それに、今では年を重ねるごとにゴルフに対する考え方も変わってきたという。 「むしろ今は成績が出ないことへの恥ずかしさや他人が自分のことをどう見ているのかが、気にならなくなりました。本当に自分が求めるものが何なのか。引退をするにしても、今のままではそのまま消えてしまうわけで、これからは自らの選択で引退を決めたい」 今年12月で33歳。もうベテランと言われる年齢で、「全盛期の頃のような飛距離もない」と正直に語っていた。今回の日本挑戦がツアープロとしての最後のチャレンジとなるかもしれないが、アン・シネにも覚悟とプライドがある。最後は悔いのないようにベストを尽くし、ぜひともQTを突破して、来年の日本女子ツアーに再び“セクシークイーン旋風”を起こしてもらいたいものだ。
取材・文:金明昱(キム・ミョンウ)
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