日本株も米国株もまだまだ天井ではない…パックン&エミンが今年後半に勧める新NISA「日・米・新興国」分散投資
新NISAがスタートして半年余りが過ぎた。世界経済の先行きが不透明な中で株価は変動が大きい状態が続いている。2024年後半以降の資産運用をどうすればいいか。お笑い芸人のパックンことパトリック・ハーランさんとエコノミストのエミン・ユルマズさんに、資産の守り方、増やし方を語ってもらった――。 【写真】「日本にはまだまだ割安な銘柄が多いから、外国人の買いは増えると思う」とエミンさん ■日本が弱いいまこそ、世界経済にオーナーとして参加すべき ――新NISAで投資を始めた人も多いようですが、円安の原因にもなっているようですね。 【エミン】そう。今年に入ってからの円安の原因の一つには、新NISAの外株買いによる円売りがあります。これまでの実績でいうと、1カ月で1兆円ぐらいのドル買い・円売り要因になっています。はっきり言ってこれは失敗としか言えない。 【パックン】新NISAのこと? 【エミン】そう。新NISAの対象を日本株に限定しなければドル買いが起きるのは明らか。毎月、自動的に起きますから。ただ、いったん円安が止まると、日本の皆さんも「そこまでアメリカ株を買わなくてもいい」「日本株でもいい」となるかもしれない。 【パックン】新NISAで毎月ドル買いが起きているけれど、いつかは売却して円に戻すわけでしょ。そのときには円買いに戻りますよ。いまは始まったばかりだから、円の流出になっているけれど、いつかは戻ってくる。 僕は日本国民が海外の株式を買って円安になったとしても、稼いだお金で住宅を購入したり、老後資金に使ったりして幸福な人生を実現するための資金にするのは大賛成ですよ。日本のみなさんが、日本経済が弱いときにこそ、海外、世界経済にオーナーとして参加すべきじゃないかなと思うんですよ。 【エミン】それはそれでいいと思うけど。 【パックン】為替からすると、タイミングはまずかったかもしれないですね。 【エミン】ほとんどが積み立てだから、そう簡単には売らないと思う。 【パックン】でも、いつかは売るでしょ。死ぬ前には。それでいいと思うんです僕は。長期的に考えると。 【エミン】そのときには一気に円高になる? (笑) 【パックン】いやいや、売却のタイミングは、人それぞれですよ。少しずつ戻ってくると思う。だから、30年後には安定しているんじゃないかな。 ■AIが真価を発揮するのはこれから。株価も期待できる。 ――最近の新聞報道では、「米国株は天井」との意見も多くなっています。このままアメリカ株へ投資しても大丈夫でしょうか。 【エミン】積み立て投資ならドルコスト平均法でやっているわけだから、下がっても関係ないですよ。 【パックン】下がれば、その分、多く買えるということね。 【エミン】そう。アメリカの個別株を買っている人は、タイミングを計ったほうがいいと思うけど、積み立ての人は関係ないと思うよ。 【パックン】僕はいまがバブルだと思っていないですね。エヌビディアなどはすごく元気ですけど、AIブームもまだ始まったばかりでしょ。これからAIの恩恵が、1次セクターだけじゃなく、2次セクター、3次セクターにも降りてきてどんどん効率が良くなって、コスパが良くなる。AIの技術を使って効率化しながら販売価格を維持できれば、利益率が上がるはずです。そうなれば、5年後、10年後には株価が絶対に上がっているはずです。いまは革命が起きたばかりです。