名物「油まんじゅう」惜しむ声 福島県田村市の菓子処とみづか、31日で休業
「油まんじゅう」で知られる福島県田村市船引町の「菓子処とみづか」は31日で休業する。JR磐城常葉駅前にある名店は、惜しまれながら店を閉じる。 「菓子処とみづか」は60年以上前に創業。当時の駅前は商店が並び、多くの人でにぎわっていたという。学校帰りの高校生や子どもたちが訪れたり、名物の油まんじゅうなど出来たての商品を購入しようと朝早くから並んでいたファンもいたという。 名物は菓子だけでない。店頭で切り盛りする富塚八重さん(89)は、利用客を何十年も迎えてきた。八重さんとの会話を楽しみに訪れる仲間も多く、店舗内にあるテーブル席には、いつも笑い声が響いている。 八重さんの長男で3代目社長を務める直人さん(60)が工場と店を運営してきたが、物価高騰や人口減少、後継者問題などから今年いっぱいでの長期休業を決めた。直人さんは「これまで多くの人に支えられてきた」と感謝の思いを口にする。八重さんも「しばらくはシャッターを開けておくので、気軽に訪れてほしい」と笑顔を見せた。