『マイダイアリー』言語化できない“好き”の感情 “普通”に溶け込む見上愛の底知れぬ振り幅
他人に翻弄されるような役柄でも実力を発揮する見上愛
「2年経っても、あの子が心に残っていたら、あなたはわたしにとって大事な人なんだよって伝えてあげな」 2年後の世界線で、「わたしは、優希のこと大事な人だと思ってるよ」と優希に伝えた愛莉。“大事な人”というのは、恋愛としての意味なのか。それとも、友人としての意味なのか。わたしたちには分からない。もちろん、優希にも。ただ、愛莉が「好き」ではなく、「大事な人」という伝え方をしようと決めたのなら、それでいいと思う。 愛莉を演じている見上愛は、ミステリアスな雰囲気を纏っている女優だと思っていた。『往生際の意味を知れ!』(MBS/TBS)の日和など、他人を翻弄するようなノスタルジックな役柄が、見上の真骨頂だと感じていたから。 しかし、『春になったら』(カンテレ・フジテレビ系)の美奈子や、『マイダイアリー』の愛莉のように、どちらかというと他人に翻弄されるような役柄でも実力を発揮するのがすごい。華を出すだけでなく、“普通”に溶け込むことができるのも、見上の魅力のひとつだ。これから、彼女がどのような役柄に挑戦していくのか。底知れない振り幅を堪能できるのが、今から楽しみでならない。
菜本かな