新野の雪祭り “豊作の吉兆”雪舞う中、温かなにぎわい 阿南町
長野県阿南町新野に伝わる「新野の雪祭り」(国重要無形民俗文化財)の本祭りが14日夕から15日朝にかけて、地元の伊豆神社で行われた。氷点下の寒さの中、多彩な民俗芸能と、祭りを機に再会した若者たちの笑顔で、境内は温かな空気に包まれた。 【写真】たいまつの煙が漂う中、伝統的な舞を見せる「幸法」 今年は、新型コロナ禍で制限していた地域外の住民も入れ、境内は見物人でいっぱいに。午前1時半、高さ7メートルのたいまつに火がともると、柔和な神の面を着けた「幸法(さいほう)」が登場。低くかがんで足を広げる見せ場では「ヨイショー!」とかけ声が飛んだ。小さなたいまつで舞手を導く役や、鼓(つづみ)を手に境内を歩き回る儀式は小中学生も担った。 豊作の吉兆とされる雪が舞い、時折雨も交じった。儀式の一つ「順の舞」で初めて一人でしの笛を吹いた飯田女子高校(飯田市)3年の金田せなさん(18)は「小学生のときに雪祭りでしの笛に憧れた。緊張したけど吹けてうれしい」と笑顔。祭りのために帰省した東京の会社員、奥田悠哉さん(27)は「雪祭りで友達にも再会できて、帰ってくる場所があると思える」と楽しげに話した。