センバツ2023 龍谷大平安に春(その1) 4年ぶり42回目 /京都
「全国最多」を更新――。27日にあった第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社など主催)の選考委員会で、龍谷大平安の4年ぶり42回目の出場が決まり、全国最多を誇るセンバツ出場回数をさらに伸ばした。大会は3月18日に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する。龍谷大平安は2022年の秋季府大会は3位だったが、近畿地区大会で4強入りした実績などが評価された。京都市下京区の同校講堂で出場決定を知った選手たちは、大会に向けて思いを新たにし、14年以来となる2回目の優勝に向けて一層のレベルアップを誓った。【矢倉健次、千金良航太郎】 この日は朝から小雪が舞う悪天候もあり、当初予定されていたグラウンドでの練習は中止に。選手らは校内の講堂に集まり、舞台に設置された大型スクリーンに映し出されるインターネットの中継画面で、午後3時半に始まった選考委員会の様子を見守った。 同4時すぎ、近畿地区の出場校として「龍谷大平安」の名前がアナウンスされると、集まった保護者や学校関係者ら約200人は一様にほっとした表情を浮かべ、静かに喜びをかみしめた。 山脇護校長が壇上に上がり、選手たちに向かって「心から喜ばしく思います。栄誉ある大会に選んでもらった誇り、代表校としての責任を感じながら、甲子園の晴れ舞台で龍谷大平安らしいプレーを見せてください」と激励。続いて原田英彦監督は「目標がはっきりしたので、これからどれだけチーム力を積み重ねていけるかが大事。甲子園は一つ勝つごとにすごい経験ができる。最高のパフォーマンスを発揮して、少しでも多くの経験ができるよう全員が一つになろう」と呼びかけた。 その後、サプライズで全選手が舞台に上がり、「ジャンボリミッキー」の曲に合わせ、練習に取り入れているエアロビクスのダンスを披露。保護者らから大きな拍手が送られた。選手らは校門近くでジャンプしたり、帽子を投げ上げたりしながら、夢見ていた大舞台にたどりついた喜びを爆発させた。 西脇隆俊知事は「甲子園では実力を存分に発揮され、大いに活躍されることを府民と共に期待しています」とのコメントを出した。 ◇号外手に笑顔 龍谷大平安の校内では、センバツ出場決定を知らせる毎日新聞の号外が配られた=写真。「龍谷大平安に春切符」「9年ぶり頂点狙う」と大きな見出しが躍り、受け取った選手や保護者、教職員らには笑顔が広がった。保護者会長の植田健二さん(57)は「本当に試合ごとに成長したと思う。しっかり応援していきたい」と目を細めていた。 〔京都版〕