五味隆典（左）と鈴木千裕が23日に対戦する

　6月23日（日）東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される『KNOCK OUT CARNIVAL 2024 SUPER BOUT“BLAZE”』の[KNOCK OUT特別ルール-73.0kg契約/3分3R・延長1R]で、鈴木千裕（クロスポイント吉祥寺）と対戦する五味隆典（東林間ラスカルジム）の試合前インタビューが主催者を通じて届いた。 　五味は45歳、鈴木は25歳と年齢差が20歳もある試合だが、五味は、注目して欲しいポイントを「挑戦する姿ですね。40代とか、人生の先が見えてきたような人が奮い立つようなことを俺が見せなきゃダメ」と語った。 【動画】決戦を見逃すな！五味vs鈴木のトレーラー映像 　五味は現在の心境について「先日、今DEEPに出場している木下カラテと何年かぶりにちょっとスパーリングしたんですよ。あの子はDEEPのタイトルに絡んでいけるとこまで来てるみたいで。ボクシングのスパーリングをしたんですけど、強くなってましたね。プロのMMAファイターの迫力をちょっと感じたんですよ。ボクシングだったら遊んでやろうかなと思ったら、とてもじゃないけど（笑）。それでちょっとこれはまずいぞと。やっぱり自分のジムの中でやるトレーニングだけでは危ない目に遭うぞっていうのが分かったので、もう一段階ジムワークを厳しくやっていくと。そういうのに気づいて、本当にベストの自分に戻れるのかどうか、それはもうここからが勝負ですよね。それを自問自答する時ですよ」と話し、木下とのスパーでより一層気を引き締めた様子。 　また鈴木は今回の対戦に関して、五味の方から「俺を超えてみろ」と持ちかけられたと話していたが、五味はそのことを「去年の11月、ヴガール・ケラモフに勝ったときに千裕が、今流行りの格闘技、ちょっとアウトローがやるヤツに反応したんですよ。そこと比べてどうすんだって俺は言ったんですよ。余計なこと言わなくていいだろうと。彼らは触れられることによってスーパー元気になって（笑）、まるで自分の手柄のように話題を持ってっちゃうんだよと。そこと比べてる人もいないし、余計なこと言うなと。そんなんだったら、俺とボクシングやってみろって言ったんですよ。そっちに話題を持っていかれちゃうぐらいだったらと。その話が何だか急にトーンダウンしちゃって、大晦日はなくなって。そこでね、山口元気さんにこういった機会を作っていただいて、半年経って実現するっていう感じですよね」と話題を持って行かれるくらいならと、自らこの試合を提案したようだ。 　インタビュアーから、ビッグマッチのメインでやるからには最高のものを見せなきゃという思いがあるのではと言われ、「そうなんですけど、あんまりもう気負ってない。もちろん練習はやるけど、あの井上尚弥選手でさえ、気負えばダウンするわけじゃないですか。ということでね。無駄な力は入れないし、作戦も考えない。これから木下選手とやっていくことになると思うけど、プロの1階級下の子たちとやって、俺もなるべく通常体重に近づける努力をしてやってみると。果たしてそれができるかどうか」と余計な気負いはないという。 　改めて、何を見せたいか問われると「今のチャンピオンと元チャンピオンの、拳のロックンロールショー。勝敗とかそんなものを超越したもの。この2人にしかできない。千裕も今チャンピオンで誰にも文句言われる筋合いもないし、俺も元チャンピオンで好きなようにここまで戦ってきた。『もう見たくない』って言われれば、プロの舞台には呼ばれないだろうし、オファーがある以上俺は挑戦を続ける。もちろんケガとか事故とか、受け入れなきゃいけないものは受け入れるんだけど、マイク・タイソンだってCOMPLEXだって、『あぶない刑事』だって、みんな復活するからね（笑）。それに40代なんていうのは、世の中で言えば働き盛り。俺だって今後の人生、一生働かないでやっているだけのお金が残ってんだったらやらないよ。でもそういうわけじゃないしやるしかないよね」と勝敗を超越した拳のロックンロールショーだとする。 　最後に、お客さんに一番注目してほしいポイントを聞かれ「やっぱり挑戦する姿ですね。今飛ぶ鳥を落とす勢いのヤツに、今の俺が挑むというかね。40代とか、人生の先が見えてきたような人が奮い立つようなことを俺が見せなきゃダメですよね。『よし、もう1回仕事頑張ってみよう』とか、そういう気持ちになるようにやろうと思ってますね」と同世代に挑戦する姿を見せたいと意気込んだ。 　注目を集めるこの一戦、人が奮い立つほどの戦いが見られるか23日を楽しみに待ちたい。