仮想空間に「夕張メロン」ブース 地元JA開設 直接購入、農家と交流も
北海道夕張市のJA夕張市は27日から、インターネット上に仮想空間「夕張メロンメタバース」を開設する。特産の夕張メロンを特別価格で購入できる他、道内のJAなどが道農業のPRや農産物を販売できるブースを設置。消費者にメタバースを通じた農家との交流、農産物のJAからの直接購入を促し、産地をより身近に感じてもらいたい考えだ。 夕張メロンメタバースは、ベンチャー企業のMeTown(東京)、The360(千葉)と共同で開設。仮想空間では自分のアバターを作成し、会話などで交流が図れるほか、ミニゲームも楽しめる。夕張メロンの“テーマパーク”を想定し、空間の中心には巨大なメロンを配置した。 巨大メロンの中で夕張メロンの情報提供や、特別価格での販売を行う。メタバースを企画したJA管理課係長の藤本尚弘さん(40)は「楽天など電子商取引(EC)サイトでの農産物販売は産地が意識されにくい。今回の取り組みで、JAや産地から買ったという認識を形成したい」と意気込む。 帯広市のJA帯広大正、道東のJAこしみずも出展。JA帯広大正は、ブースに産地直送のネット販売サイト「ネットマート メイ・クイーン」のリンクを貼り、特産ジャガイモ「大正メークイン」などの購入につなげる。JAの担当者は「消費者に産地や地名、商品名を知ってもらういい機会だ」(企画課)と期待する。 JAこしみずは、特産の小麦にちなんだキャラクター「こむぎん」を押し出したブースに仕上げた。小清町の農業をPRする動画や交流サイト(SNS)に誘導し「小清水町を知ってもらうきっかけにしたい」(総務課)と話す。 この他、酪農学園大学が出展する他、地元夕張高校も出展予定だ。今後は、JA職員や生産者との交流など、より産地を実感できるイベントの開催も見据える。
日本農業新聞