17歳平井、伸び盛り 五輪イヤーに台頭―競泳女子・パリの灯は近く
17歳の高校3年生。 競泳女子の平井瑞希(ATSC・YW)は、シニアで自身初の国際大会がパリ五輪となる。「こんなにかっこいいジャージーを着られることをうれしく思う」。喜びを素直に表現した。 【写真】競泳パリ五輪選考会女子100メートルバタフライ決勝で力泳する平井瑞希 3月18日に人生が変わった。五輪代表選考会100メートルバタフライ決勝。日本記録保持者の池江璃花子(横浜ゴム)を抑え、1位で切符をもぎ取った。持ち味のキックを生かした後半に伸びのある泳ぎで、タイムは56秒91。今年に入って57秒台に届いたばかりというのに、早くも日本歴代2人目の56秒台をたたき出した。 より自分に合った競技環境を求め、生まれ育った愛知県から神奈川県に家族で引っ越し、高みを目指してきた。昨夏の世界選手権(福岡)は現地観戦。関東で自身の試合を終え、その足で空路駆け付けた。強行日程を押して最高峰のレースを目の当たりにし、「自分も絶対その舞台で戦って勝ちたい」と改めて誓うきっかけになった。 夢への挑戦権を得た今も、地に足を着けている。選考会後、海外で調整を進める代表選手が多い中で、これまで通りに国内で強化に励む。5月下旬には相模原市で行われた短水路の試合で、100メートル自由形のレースにバタフライで臨んだ。100メートルバタフライの種目が学校の定期テストと重なったからとはいえ、先行する周囲の波を受けながら泳ぐことで、泳力強化につなげる狙いもあった。 6月1日の東京都選手権では、3月の選考会に次ぐ57秒00の好タイム。だが、達成感よりも課題が浮かぶ。「まだまだ練習が必要」。現状を謙虚に受け止め、ぶれずに先を見据える姿は頼もしい。