NTT西日本、辞任社長が語った「改革途上」の無念 顧客情報900万件流出で引責辞任の社長を直撃
こうした20種類以外の業務システムについても、地域ごとのプラットフォームやプライベートクラウドのようなものが必要になってくる。そういったシステムのクラウド移行やセキュリティ、ネットワーク構築から日々のオペレーションに至るまで、NTT西がまるっと請け負う形での提案を始めている。 一方、2023年5月にはマイクロソフトとの協業を開始し、「マイクロソフト365(旧オフィス365)」や「Azure(アジュール)」など同社のサービスを使いながら、自治体向けにシステムのクラウド化やDX関連などのソリューションを共同で提案している。
すでに一部では受注もとれているが、大きな案件が動き出すのは2024~2025年になるとみている。これには、かなりの伸びが期待できる。 学校向けのICTサービスや、高速の光回線「フレッツ 光クロス」も今後伸びていく分野だ。そのほか、直近では自動運転EVバスのシステム提供や、クラウドを使ったロボット管理などにも展開を試みている。 また、20年近く前から手がけている電子漫画「コミックシーモア」も順調だ。現在、電子漫画は北米市場向けに英語版を提供しているが、コンテンツの量を増やすことで、さらに強化していきたい。
■技術者のスキルアップが課題 ――マイクロソフトとの提携は、海外畑の森林さんの色が強く出ているように感じます。今後に向けて、積み残した課題は何でしょうか。 成長分野の事業を伸ばすためには、人材のスキルアップが不可欠となる。クラウドやセキュリティ、AI(人工知能)などの技術者を育成していく予定だ。 (リスキルや新規採用で)1000人規模でそういう技術者が集まってきており、準備は着々と進んでいる。
高野 馨太 :東洋経済 記者