井上尚弥と中谷潤人が戦う可能性を、いとこの浩樹はどう見る? 自身の今後についても語った
【将来、中谷潤人との対戦はあり得る?】 ――スーパーバンタム級で他に気になる選手はいますか? 「ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン/元WBA・IBF世界王者、WBA1位/11勝1敗・8KO)はかなり強いと思います。リオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得するなど、アマチュア成績もすばらしい。パワー、スタミナ、スピードもあるオールラウンダーで、非常に好戦的ですから面白い試合になるんじゃないかと」 ――スーパーバンタム級で戦い続けるとしたら、"ネクストモンスター"とも呼ばれる中谷潤人選手(WBC世界バンタム級王者/27戦全勝・20KO)が階級を上げた時が集大成になるのでは、という声も上がっています。 「確かに、尚弥さんがスーパーバンタムに長く留まることがあれば可能性はあるのかなと思いますが、中谷選手の今後のプラン次第ですよね。彼がバンタム級の4団体統一を目指すなら時間が必要ですから、尚弥さんがフェザー級に転向するとなると......こればかりはお互いのタイミング次第ですよね。 正直、尚弥さんが今の階級に留まっても相手がいなくなると思います。その場合、上の階級のチャンピオンに挑戦することをファンは見たいと思いますし、本人も意識しているでしょう」 ――尚弥選手は、常に新たな強敵との対戦を求められますが、そのプレッシャーについてはいかがですか? 「周りからの期待が大きすぎますよね。同じ階級で防衛を重ねることが一般的だと思うのですが、階級を上げ、そこで最強の相手との試合が組まれ、絶対に勝てると思われているわけですから。まぁ、そう期待せざるを得ない試合を尚弥さんが見せ続けているからなので、仕方ないですね(笑)」
【リングで尚弥のベルトを掲げた時のうれしさと悔しさ】 ――ちなみに浩樹選手は、ネリの試合が終わったあとのリングでベルトを掲げていましたが、そこから見た東京ドームの景色はいかがでしたか? 「当たり前ですが、『広いなぁ』と。もちろん尚弥さんが勝ってくれてうれしい気持ちが一番大きかったのですが......一方で同じボクサーとしては、ほかの選手のベルトを持って立っているという歯がゆさ、自分が試合をしてないという悔しさもありました」 ――浩樹さんは今年の2月22日に行なわれたWBO東洋太平洋スーパーライト級王座統一戦で、OPBF東洋太平洋王者の永田大士選手に判定で敗れました。WBOアジアパシフィック王座を失い、試合後には引退をほのめかす発言もありましたが、今後については? 「試合の直後は、『ここで終わりでもいいかな』と思ったんです。(2020年7月に初黒星を喫した)永田選手ともう一度対戦して、いい思い出に塗り替えるために復帰したので。でも、翌日には練習したくなっていたんですよね。今は練習が本当に楽しいし、新しくついた鈴木(康弘)トレーナーともいいトレーニングができているので、このまま続けていきたいと思っています」 ――永田選手との試合は、4ラウンドに相手をダウン寸前まで追い込みましたが、その後はうまく攻められず、逆にポイントを取られるラウンドが続いてしまったように感じます。 「あまり詳しくは言えないのですが、左が使いにくい状況になってしまって......。試合を通して、右でポイントを取るボクシングをすればよかったとは思うんですが、どうしても引きたくない感情が出てしまいました。下がらずにぶつかり合いたい気持ちが前面に出すぎたかもしれません」