能登島で復旧中に転落、意識不明 60代業者、屋根から用水路へ
●二次災害か、熱中症の可能性も 16日午前、能登半島地震で被害を受けた七尾市能登島曲町の住宅で、屋根の修理をしていた復旧業者の60代男性が約3メートル下の用水路に転落した。付近の住民から119番通報があった。男性は意識不明の状態で同市の公立能登総合病院に搬送された。何らかの原因で屋根から家屋横の用水路に落ちたとみられる。石川県内では厳しい暑さが続いており、消防関係者は熱中症も想定されるとして「特に高所で作業する際は気を付けてほしい」と、二次災害の防止を呼び掛けている。 七尾署や七尾鹿島消防本部などによると、8時47分ごろ、付近住民から「用水路に人が倒れている」と通報があった。住宅は2階建てで、男性は1階部分の屋根で壊れた瓦を取り換える作業をしていたとみられる。用水路は幅約1・5メートルで、水がわずかに流れていた。男性は搬送時、呼吸しており脈もあったという。 この日の七尾市の最高気温は27・2度の夏日で、7月上旬並みだった。現場近くに住む60代女性は「午前中からとても蒸し暑かった。熱中症で不意に頭がくらっとしたのではないか」と推測した。 震災の二次災害を巡っては、2月上旬に同市一本杉町の被災店舗で、片付けに当たっていた60代男性が倒れてきたブロック塀の下敷きになり死亡した事案が発生している。 能登島では島の北東部を中心に地震による被害が大きく、現在もブルーシートで屋根を覆った家屋が多い。今後、夏休みなどを利用して多くの業者やボランティアが現地入りするとみられ、七尾鹿島消防本部の担当者は「水分補給をこまめにするなど、熱中症対策を徹底してほしい」と求めている。