40分間気迫あふれるプレーを見せるも、スコアレスを悔やむアタッカー・瀧澤太将。「攻撃陣が得点を取れなかったことが敗因」
2度の入れ替え戦を経験し、3年越しで悲願のF1昇格を勝ち取った、しながわシティ。 資金力の高さに加え、F2で3連覇を達成した圧倒的な強さから「名古屋オーシャンズの対抗馬になるのでは……」と囁かれ、今シーズンの注目クラブでもあった。ところが、第19節終了時点で戦績は6勝1分12敗で負け越し。通算45ゴールはリーグで下から3番目と苦戦を強いられている。 そんななか、11月10日に行われた第20節・湘南ベルマーレとの一戦で誰よりも声を張り上げ、この試合で最多の7本のシュートを放ち相手ゴールに迫ったのが、瀧澤太将だ。 しながわ屈指のアタッカーは、昨年、日本人選手でチーム最多の11得点を奪っていたものの、今シーズンは4得点に留まっている。個人としての焦りやジレンマもあるだろう。それでも悔しさを試合にぶつけ、目の前の勝ち点3に向かって喰らいついた。 しかし、あと一歩が届かずチームは0-1で敗戦。12月22日からはじまるファイナルシーズンを下位リーグで戦うことが決定した。 試合を終え、瀧澤に話を聞いた。 取材・文=田中達郎
思い切りの良さが足りない
──今日の試合を振り返って。 得点を取れずに終わってしまい、失点についてはオウンゴールで仕方ない部分はありました。黒本(ギレルメ)選手を中心にたくさん防いでくれていたのに、攻撃陣が得点を取れなかったことが今日の敗因です。 ──瀧澤選手から見て、得点を取れなかった要因はどんなところにありますか? 今シーズンは得点力の部分に苦しんでいます。やっぱり点が入る時は思いきりの良さとか、狙っていなかった形から得点することがけっこうあるんですよね。シュートの時に慎重にいきすぎたり、GKをよく見ていなかったり、そういった部分を練習から意識できていなかった。ここまでの積み重ねが足りていなかったと思います。 ──パワープレーでは瀧澤選手がGKユニフォームを着て出場していましたが、プレーで意識していたことは? パワープレーはリスクとの戦いです。点を取りにいかなければいけないですが、一つのミスで失点につながってしまう。賭けみたいなものなので、リスク管理を意識しました。でも、矛盾しますが思い切りの良さを出すことが、得点につながってきます。 そこのバランスを、時間帯や点差を考えながらやっていくのがパワープレーなので。ゴールに結びつかなかったのは技術と運の部分もありますが、思い切りの良さをもっと出せれば、もしかしたら得点できたんじゃないかなと思います。 ──湘南の伊久間洋輔監督は試合後の会見で「今日は攻撃じゃなく、とにかく守ることだった」と言っていました。実際に相手が守備的にプレーしていた感覚はありましたか? 湘南は攻撃力が高いチームですが、日本代表のフィウーザ選手や内村(俊太)選手を中心に、守備も堅い。フットサルは守備から入らないといけないので、僕らがそれを上回る力を出しきれなかったと思います。 ──パワープレーではピッチ中央よりやや左の位置でプレーしていましたが、あの位置からどういった形の狙いをもっていましたか? 基本的にはうちのパワープレーは、中央の選手がブロックして、そこから数的優位をつくりチャンスを生む。簡単に言えば、空いたところにパスやシュートを狙う感じで、そこまで決まった形はないです。選手が臨機応変に判断するようなパワープレーになっています。 ──今日の敗戦を踏まえて、チームと個人で次節に向けてどのような取り組みをしていきますか? 連敗していますが、勝利を目指して練習から全力で取り組んでいくしかないと思っています。まずはしっかりリフレッシュして、練習で100%の力を出せるように準備していきます。