悪天候でイベント中止 出店者の影響と今後の対策は・佐賀バルーンフェスタ
テレQ(TVQ九州放送)
毎年 国内外から数多くの来場者が訪れる佐賀インターナショナルバルーンフェスタ。 しかし、今年は雨と風の影響で大会日程の大半が中止という異例の事態となりました。 中止を受け、関係者が抱える悩みや来年度以降への動きについて記者が取材しました。 森文弥記者 「今年の佐賀バルーンフェスタから1週間が経ちました。大会日程の大半が中止になったことを受け、県内ではどのような影響があったのでしょうか」 初日会場にいた人たち 「(子どもが)バルーン大好きなので残念だったと思う」 「残念でしたけどバルーンが立ち上がって近くで見られてよかった」 競技フライトは初日の午後と最終日に実施できたものの、イベントや出店は2日目以降の日程が全て中止となりました。 出店者のSNSでは。 「バルーンフェスタの全日程のイベント中止が発表されました。悲惨な状況です。 プリン県さがの用意した約3000個のプリンが行き場をなくしてしまいました」 この投稿をしたのはプリン県さが実行委員会。佐賀県内のプリン販売店が集まり、この大会のためにおよそ3000個のプリンを準備していました。 行き場を失ったプリンを売るため大会中止発表の翌日、JR佐賀駅前のイベントに出店。SNSを見た地元のスポーツ選手や関係者などが応援に駆けつけました。 そして・・・ 「プリン完売しました。ご支援くださりありがとうございました」 支援の輪は広がり窮地を脱することができたのです。 一方こちらは佐賀市内で木の雑貨などを手がける飛鳥工房。 飛鳥工房 広松美紀さん 「舞い上がるバルーンをイメージして、ハッピーが訪れますように(と願いを込めた)」 2010年から佐賀バルーンフェスタの限定商品を作っています。 飛鳥工房 広松美紀さん 「佐賀バルーンフェスタの5日間だけで1カ月分以上の売り上げになる」 制作に要した期間は半年以上。しかし… 「これが販売する予定だったものの在庫になりますね」 積み上げられた箱の数々在庫の行方は・・・ 佐賀バルーンフェスタのために、およそ2000個のグッズを制作していた飛鳥工房。8割以上がいまだに売れ残っているといいます。 飛鳥工房 広松美紀さん 「去年は5日間すごく良いお天気だったということもあって在庫が足りないかなというところもあったので、結構十分な量を作っていた分が残っている」 去年の反響を受け今年は商品量を1.5倍に増やしました。特に売れると話すのが 「開催年」が入った商品ですが、来年に持ち越すことができず今年中に在庫を売らなければいけません。 飛鳥工房 広松美紀さん 「多くの人にお店を訪ねてきてほしい。遠くて来れない方はホームページで期間限定にはなるが求めてもらえるとありがたい」 観光協会には現地に来ていた客からこうした限定のグッズを 求める声が多かったといいます。 佐賀市観光協会 野田大介さん 「バルーンのグッズ、例えばピンバッジとかを(過去に)会場で買っていたけれどもどこで買えるのかという問い合わせが多くあった」 売り場を失った出店者と商品を買いたいという客でミスマッチが起きていたのです。天候リスクを伴う屋外のイベント。今後どのような対策を考えているのでしょうか。 佐賀バルーンフェスタ 組織委員会 中島丈晴さん 「(危機管理に関して)主催者だけでマニュアルを作ってということではなくて、連携の体制を強化していく、また天候以外のいろいろなリスクも連携を取り、速やかにやっていく」 また、本来大会の規約では出店者が事前に支払う出店料は返金されないルールですが、委員会は出店の負担を減らそうと今回に限り出店料の半額を払い戻しとする特例措置を取りました。今後、客だけでなく、出店者も安心してイベントに参加するためにはどのような対策が必要になるのでしょうか。イベントのリスクマネジメントに詳しい専門家に話を聞きました。 SOMPOリスクマネジメント 寺下裕之さん 「もし当日出店が取りやめになったときに、かかった費用に関して主催者が補填してくれるのかしてくれないのかといったところを契約上結んでおくこと、結べないかもしれないですけど」 「例えば民間の保険会社が出している興行中止保険(に加入し)ヘッジで対策することも一つ」 契約事項の確認や保険加入の検討といった基本的な取り組みの徹底が大切だということです。異例の中止から学び、関わる人たちが安心できる仕組み作りが求められます。
テレQ(TVQ九州放送)