古民家で一品料理いかが 重伝建の富山県高岡市金屋町に飲食店6日オープン
富山県高岡市金屋町の伝統的な千本格子の町家が連なる石畳通り沿いに、古民家を活用した飲食店が6日、オープンする。築100年近い趣を感じさせる空間で、気取らない一品料理を提供する。インバウンド(訪日客)が増加傾向にある中、通りのにぎわい創出につなげる。 切り盛りするのは高岡市の窪田万里さん(53)。同市内の別の場所で10年ほど飲食店を営み、新しい場所での新規開店を考えていたところ、空き家対策などに取り組むNPO法人「金屋町元気プロジェクト」を通じて古民家の紹介を受けた。 国重要伝統的建造物群保存地区となっている金屋町の通りの景観に、以前から魅力を感じていたこともあり、「空いたままなのはもったいない」と借りて店を開くことに。店名は「さくら」とした。 古民家はかつて米穀店で、その後、市内の事業者がリノベーションし、今春までカフェとして営業していた。店内は、梁(はり)や壁の一部を生かした造りで、落ち着いた雰囲気が漂う。
おでんや揚げ物、自家製の昆布締めなど幅広いメニューを提供する。当面は夕方から夜の営業で、いずれはランチも始めたい考えだ。 同法人の藤田正英事務局長は「町の機能や環境が充実すれば、移住定住にも結びつく」と歓迎。窪田さんは「スリッパでも来られるくらいふらっと入れる、アットホームなお店にしたい」と笑顔を見せた。