阪神、高橋遥人で勝てず よく投げた6回0/3を1失点「もっと力をつけないと…」
(セ・リーグ、阪神0-1巨人、25回戦、阪神12勝12敗1分、23日、甲子園)紙一重の戦いを演じたものの、最後に笑うことはできなかった。絶対に負けられない首位巨人との天王山第2戦を任された阪神・高橋に待ち受けていたのは、魔の七回。外野3方向への悪夢の3連打に屈した。 【写真】好機に空振り三振に倒れる佐藤輝明「悔しいです」 「先制点を与えたので、それが決勝点になって申し訳ないという感じですね」 スコアレスの七回だった。先頭・吉川に対してカウント1―2から外角いっぱいへ決めにいった148キロに球審の手は上がらず。左腕も捕手・梅野もボールがストライクゾーン内を通った自信をうかがわせた一球を経てフルカウントとなると、「3ボールにしたので、そこで少し余裕がなくなって…」。機微も生じた中で、中前へ運ばれた。 ここから岡本和の左前打で一、三塁とされると、代打・坂本の打球は149キロを捉えて右前へ。ついに均衡を破られてよもやの交代を告げられると、逆転勝利への願いも届かなかった。 「相手打者よりも自分のボールが劣ったというだけかなと思います」 紡ぐ言葉に悔しさはにじんだ。ただ、披露した熱投は称賛に値し、降板時に沸き起こった拍手がそれを物語る。緩急ともに精度高く制球し、ゴロの山を築いて二回まではパーフェクト。初めて出塁を許した三回は2死二塁で丸に150キロ直球を投じるなど、攻めて空振り三振でピンチを断ち、四回も2死一塁で大城卓を三球三振に仕留めた。五、六回はともに三者凡退と圧倒。あとわずかで主役になれた。熱狂を呼ぶ、見ほれるような投球だった。 度重なる手術から復活を遂げ、8月11日の広島戦(京セラ)からは4戦4勝と投げれば白星を恵む快投を続けてきたが、援護なく復帰後初黒星を喫した。6回0/3で5安打無四球1失点の好投を誰も責めやしないが、左腕自身は反省しきりだ。 「マツダ(8月23日)もそうかな。最後にああやって連打で(ピンチを作った)。それには絶対に原因があると思う。もっと力をつけないとな、と思います」 岡田監督は今季最終戦である10月3日のDeNA戦(横浜)に中9日で登板させる予定を明かしている。その一戦は逆転Vをかけた大一番となる可能性だってある。勝利のために己を見つめ直し、次こそ最後に笑う。(須藤佳裕)