新たに松本さん就任 社団法人NELCrew代表理事 三重・明和町「地域おこし協力隊」
カヤックなど自然体験通し観光振興
三重県多気郡明和町は本年度、自然体験プログラムコーディネーターとして町の自然を活用した体験や観光振興を図る「地域おこし協力隊員」を新たに採用した。県内でカヤックを使ったアウトドア体験や自然体験プログラムなどを提供する一般社団法人NELCrew(ネルクルー)の代表理事・松本愛莉さん(24)=明星=が就任した。 松本さんは京都市出身。三重大学を卒業後は、京都大学の生命科学研究科に進学し、高次生命科学を専攻し脳機能発達再生制御学を研究した。三重大1年の時に自然環境リテラシー学(坂本竜彦教授)の実習に参加し、三重の自然や地域、人の温かさに魅せられ、実習スタッフを経て、より社会的意義を持って活動を続けようと、2022(令和4)年に法人を立ち上げた。 今年3月に大学院を卒業するまでは、平日は京都で研究、週末は三重で自然体験プログラムを行うという二重生活を送っていた。卒業後を考える中、以前から体験プログラムで交流があった明和観光商社に明和町を紹介され、自身の事業の基盤づくりと、第二の古里の三重の自然や子供たち、地域の人たちの笑顔がずっとこの先も続く力になれたらという思いで協力隊に応募した。 現在は、町まちづくり戦略課に所属しながら、同商社の一員として、今後は南藤原の元伊勢湾漁協下御糸支所を拠点に、平日は地域の子供たちに向けた英会話や海の生き物教室など、学びと居場所づくりの活動の他、月に1回はカヤックなどを使ったアドベンチャークラブなどを構想。 またインバウンドや学生などをターゲットにした新たな自然体験プログラムの開発や、都会の子供たちを招いた明和町ならではのスタディーツアーも視野に入れる。 松本さんは、自然と共に生きる持続可能な地域社会の実現を目指すため、「地域の人たちとのつながりを大切にしながら魅力を引き出す活動をしたい」と話している。