この問題分かるかな?「思考力」試す調査へ島根県が2025年度から「たつじんテスト」導入へ
山陰中央テレビ
島根県教委が2025年度以降、新しい形の調査として導入するのが、「たつじんテスト」と呼ばれるものです。いったいどんなテストなのか例題とともに解説します。 「たつじんテスト」は、大学教授らと広島県教委が開発した小学生、中学生向けの学習コンテンツで、開発者によると、従来の学力調査では分からない根本的な学習のつまづきを把握するのに役立つといいます。 慶応義塾大学環境情報学部・今井むつみ教授: 子どもがちゃんと勉強するための基盤・土台ができているかどうかを確認するためのテストなんです。計算はできても、その意味が分かっていない。そういう状況の子はすごくたくさんいます。それを先生たちが把握できるように作っています。 「学力を測る」というよりも「基礎的な思考力を試す」ためのテストです。 例題その1。 Q2分の1と3分の1、どちらが大きい? 正解は「2分の1」。小学5年生の正答率は約50%。この問題は、分数がいかに直感的に捉えどころがないかを感じてもらうことで、本質的な理解につなげるという狙いがあります。 例題その2。 Q図形を折ったときのイメージで、三角形の端を折った時の形は? 正解はア。図形そのものについての知識ではなく、頭の中で形のイメージを作ることができるかを調べます。 慶応義塾大学環境情報学部・今井むつみ教授: 普通の学力テストは点数がわかるだけだから、子どもの順位付けはできます。自分で考える力、それがどのくらいあるかっていうのを図りたい。 県教委は、「たつじんテスト」を導入することで、従来の学力調査では把握が難しかった子どもたちのつまづきポイントを早期に洗い出し、効果的な指導につなげたいとしています。 県教委によると「たつじんテスト」の導入には年間事業費として4000万円程度を見込んでいて、2025年度以降、県内の小学2年生から中学3年生までを対象に実施する方針です。
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