若手が躍動も、前回対戦に続く逆転負け。フウガドールすみだ・北隅智宙監督「得点力不足に泣かされてきた部分は変えられている」|Fリーグ
11月10日、Fリーグ2023-2024ディビジョン1の第20節、フウガドールすみだvsバルドラール浦安が墨田区総合体育館で行われた。 毎試合、撃ち合いのシーソーゲームとなる好カードで、先にリードしたのはホームのすみだ。8分に左サイドの清水誠也からの浮き玉を田口元気が反転シュートで先制点を決めると、続けて9分には、4日前にトップチームに昇格したばかりの西田泰人がネットを揺らし、スタンドを盛り立てた。 しかし後半は立ち上がりから浦安のGKを使った攻撃に押し込まれ、22分に失点。24分にカウンターで北村弘樹が追加点を奪い再び点差を開くも、ゲーム終盤に連続で3失点を喫し3-5で試合は終了。まさかの逆転負けを喫した。 試合を終え、北隅智宙監督とキャプテンの畠山勇気が記者会見に出席した。
若い選手が、タスクを理解しながら走り続けてくれた
●フウガドールすみだ|北隅智宙監督 ──試合を振り返って。 まずは、自分たちがある程度思い描いたようなゲームプランのなかで、前回のアウェイでの学びを出すことができませんでした。ただ前回と違うのは、相手にスコアを動かされた後に、自分たちが先にもう一度スコアを動かしたところです。西田の活躍もそうですし、途中から出た甘利(斗亜)も、ここにいる畠山も、若い選手が自分たちのタスクを理解しながら、最後まで走り続けてくれました。 いまの最善はどういうトレーニングなのかを考え、パワープレーの練習にはそこまで時間を割いていません。それでも3スコアを動かせましたし、これまで得点力不足に泣かされてきた部分は変えられたと思います。ただやはり上位に行くには、5失点を少しでも削っていかなければならず、それが大きな差だと感じるゲームでした。 次は、首位を走るような素晴らしいクラブと対戦ができます。自分たちは下位リーグになると思うので、名古屋オーシャンズに対してぶつかっていくことで、自分たちに大きなものが返ってくればいいなと思っています。年齢関係なく日常で競い合って、12月2日のホーム戦で勝ち点3を取るために、いい準備をしたいです。 ──前回の結果と同様に、後半で逆転負けをしてしまった要因は? ハーフタイムでみんなに話したのは、相手のGKを使った攻撃に対してどうアジャストしていくかというところでした。前節、大阪戦で3失点をしているので、前日練習でもしっかり準備をしてきましたが、浦安は交代のクオリティをもっていますし、そういったところのすべて(のリスク)を消しきることが難しかったとシンプルに感じました。「守備の練習にあと30分多く割いていたら」というのは結果論ですが、もっと対策しておけばよかったというだけでは片付けられないというのが、率直な感想です。 それでも、自分たちがどうしたら得点できるかはこれまでの大きな課題で、(攻撃と守備の)どちらに目を向けるべきかという話もありますが、前節が3点、その前の立川戦が5点、今日も3点を取ることができました。町田戦こそ0得点でしたけど、あのあたりから自分たちはスコアを動かさないと、1点でも多く取らないと上にいけないという事実を理解して、トレーニングを積んできました。 ──羽生選手と伊藤選手に続き、西田選手がデビュー戦で得点を決める活躍をみせました。彼に期待したことと、評価を教えてください。 もう、期待どおりでしたね。 3-1のシステムをファーストセットは非常に高いクオリティで、直近の数試合は誠也がハットトリックをしたりと、噛み合わせがより良くなっていました。 そのなかで、自分の好きなクワトロのセットで4枚をどう構築していくかというところで、モビリティがあって、両足のフィニッシュがあって、最後のパワーを持っている選手として、その実力をF1でも証明してもらいたいという思いで、2つのセットの1つに西田を入れました。(試合に)出すのであれば、自分たちが苦しくなってからではなく、スタートから出して、可能な限り時間を与えていくのが自分のやり方です。伊藤諄哉もそうでしたけど、西田もいいプレーをしてくれて、思ったような選手だったというのを実感しています。 これから次の名古屋やファイナルシーズンに入った時に、彼が自分の1つの大きなピースとして働いてくれることを期待していますし、この先自分もどうなるかわかりせんが、もし彼にオファーを出すような立ち位置にいれば、チームに必要な選手だと思える選手です。そういう意味では今日のプレータイムやスコアが評価だと感じてもらえればいいのかなと思っています。 ──第2ピリオド、2点差をつけられたタイミングでタイムアウトをとった理由とは? 個人的に、タイムアウトは好きではないんですよ。自分たちは毎日練習してるわけで「そんなことしなくても、現状を変えられるでしょ」と普段は思っています。 手前(のタイミング)で清家(大葵コーチ)や窪堀(宏一コーチ)に「取りますか?」と聞かれてはいましたが、タイムアウトは自分にとって最後の秘密の武器みたいなものだと思っていて、引き分けになったからといってすぐにタイムアウトを取ることは考えないタイプなので、あの時間での決断になりました。 ──羽生選手の評価を教えてください。 4枚のシステムの理解度が高いです。今日の得点も彼のアシストですよね。結果が証明してるんじゃないでしょうか。 中身の深いところで言えば、左利きであること、西田のアクションを最大限引き出せること、戦術的な幅があること。モビリティとかパワーという側面では、まだまだ足りないですが、どういうものをゲームのなかで自分が大切にしているかというのを体現できる素晴らしい選手で、あのアシストが物語っている通りですね。前節の大阪戦でもスコアを動かしていますし、まさに“羽生っぽい”ゲームだったと評価しています。 ──次節に向けて。 名古屋戦ですね。次の試合が終われば全日本選手権以外では戦えない相手で、F1の自分たちにプレゼントされたホーム&アウェイの2回の対戦の機会のうちの1回です。このホームで自分たちがこれまでの学びをすべて発揮していくだけだと思います。皆さんが「わっ」と驚くゲームになるように、1つのエンターテイメント性も含めて、勝ち点3を取れればいいなと思っています。自分たちがそれに値するチームだと常に思いながら、前を向いて次のゲームに向かっていきたいです。必ず勝ち点3を取ります。