県武道館、地下1階に道場 地上部分は観客席 富山県が基本計画発表
●建設費88億3000万円見込む 新田八朗知事は19日の会見で、富山市の県総合運動公園(県総)のびのび広場に建設を予定する県武道館の基本設計を発表した。広場の傾斜を利用し、施設は地下1階、地上1階の構成とし、地下に大会の舞台や日常の稽古などに使用する主道場と武道場を置く。地上部分は主道場の観客席とし、約1500席を設ける。建設工事費を88億3千万円と見込み、2027年度中の完成を目指す。 【図】地上と地下の2階構造となる建物内部(県提供) 県武道館は当初、富山駅近くで4階建ての施設整備を検討していたが、資材価格の高騰で建設費が110億円に上振れする見通しとなったことから、昨年度に基本計画を見直し、建設予定地を県総のびのび広場に変更した経緯がある。 基本設計では、武道競技の振興と競技力の向上に寄与することを施設のコンセプトに掲げた。鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造で、延床面積は約1万1200平方メートル。12月からの実施設計を経て、来年度中に工事に着手する。 ●屋内グラウンドと駐車場を通り抜け 武道館は県総東駐車場と屋内グラウンドの間に設け、双方を入り口とする地下1階の廊下「交流の辻」(延長約60メートル)を通じて通り抜けできるようにする。キッズルームやシャワー室、トイレは公園利用者も使える設計とする予定。 大規模大会を開催する主道場は、卓球やバドミントン、ソフトバレーなど武道競技以外でも活用可能とした。小・中規模大会に使える武道場は畳敷きと板敷きの二つを設け、客席数は約560席。ロビーはガラス張りにして、稽古や試合の様子を見学しながら武道に親しめるよう工夫した。 新田知事は、屋上を緑化し、公園景観に調和した外観としたことを強調。基幹産業のアルミや伝統工芸を用いて富山県らしい武道館としたほか、必要な機能を確保しながらコストカットを図ったとし「さまざまな用途に使ってほしい。幅広く県民のニーズに応えたい」と意欲を示した。