バスケットチア発展の宿命を背負って(後編)(株式会社GRIT 代表取締役 Fuka)
バスケットチア発展の宿命を背負って(前編)より続く 越谷アルファーズのチアリーディングチーム、アルファヴィーナスのディレクターとなったFuka。NBDL時代にアースフレンズ東京Zの一員として、当時はまだ大塚商会アルファーズだった越谷と対戦しているが、「アルファーズには負けたくないぞという、どちらかというと天敵みたいな(笑)」チームからのオファーを何故引き受けるに至ったのか。それもまた人のつながりで、アルファヴィーナス前ディレクターのMinoriとの接点から話が進展したものだった。 「彼女が『ディレクターになったので、ご挨拶させてください』と2年くらい前に連絡をくれて、それからお茶に行ったりいろいろと相談し合ってきました。昨シーズンは別チームのディレクターとして合同練習をしたりコラボさせていただいたりもしました。そんな中でクラブの方ともお話しする機会があり、『ディレクターのオファーをしたいと思っている』と言っていただいたんです。他に持たせていただいているチームとの兼ね合いもあったので即決はできなかったのですが、どの現場でも許可をいただくことができて、その上Nonさんとの2人体制ならサポートし合いながらやっていけるんじゃないかということで決まりました」 現在ディレクター業に就いている4クラブのうち、3クラブがB3。バスケットとの関わりが10年目に突入したFukaも、B1クラブに籍を置いたことは一度もない。アルファヴィーナスのディレクターを務めることは、Fuka自身にとって大きなチャンスでもあるのだ。 「他と比べるわけではないけれど、B3とB2は違うし、B2とB1も違う。自分も、B1のクラブで一人前に活躍できるレベルのディレクターにならなければいけないと思うんです。まだ見たことのない世界にも行ってみたいし、そこで自分がどれだけ力を発揮できるかを試すべきだと思いました。どのチームでも、クラブがB1に上がったときにメンバーたちが胸を張ってパフォーマンスできるようなチームに仕上げなければいけないし、“このチームのために” 頑張りたいと思う子を増やしたい。ただ自分にとって踊れる場所なのではなく、このチームを盛り上げて私も上に上がりたいというマインドを持ってもらえるようにしたいです。B3は少し規制が少ない部分もあるんですが、当然上のカテゴリーになるほど組織がしっかりしていたり、関わる人が増える。いろんな調整をしながら自分たちの力をいかに出せるかというところが変わってくるので、そこも勉強中です」 アルファヴィーナスをB1の舞台でも輝くように仕立て上げるのが、Fukaに課された役割と言ってもいいが、Zgirls(東京Z)のように継続的にディレクションしているチームと異なり、新たな環境での指導には難しさもある。チアリーダーのあるべき姿を追求し続け、高い理想を抱くFukaにとって、アルファヴィーナスの現状は必ずしも満足できるものではなく、それは専属プロ契約を結んで1年が経つHazukiも例外ではない。