<ネタバレ注意>原作の良さと現代の価値観が融合、ハイブリッドな鈴木亮平主演版「シティーハンター」
Netflix映画「シティーハンター」の配信が4月25日(木)よりスタートする。原作の「シティーハンター」は、1985年から91年にかけて「週刊少年ジャンプ」に掲載された、北条司の連載コミックだ。東京・新宿を拠点に、裏社会でのトラブル処理を請け負う超一流のスイーパー(始末屋)、〝シティーハンター〟こと冴羽獠の活躍を描く(以下、本編の内容に触れています)。 【動画】お約束の〝もっこり〟もきっちりアップデート 「シティーハンター」予告編
鈴木亮平の徹底した役作りへの信頼感
本作は令和の歌舞伎町を舞台に、原作にはない、冴羽獠と相棒・槇村香の出会いを描くオリジナルストーリーになっている。新宿で謎の暴力事件が多発する中で、獠は相棒の槇村秀幸(香の義兄)と有名コスプレーヤー・くるみの捜索依頼を請け負った。捜索の途中で槇村が、事件に巻き込まれて死亡してしまう。現場に居合わせた香は、兄の死の真相を調べてほしいと獠に懇願するも、獠は香を巻き込まないために避け続けるが……。 主人公の冴羽獠に鈴木亮平のキャスティングがアナウンスされたときに、この映画の成功を確信した。原作もののキャラクターや実在する人物に対する、鈴木の徹底した役作りには信頼しかない。「HK 変態仮面」、「俺物語!!」、「天皇の料理番」、「西郷どん」での激しい肉体改造は、彼の健康状態が心配になるほどの徹底ぶりだった。 鈴木はインタビューで「獠の横顔が重要」「顎(あご)の輪郭線が出ないと冴羽獠にならない」と語っている。その輪郭線を出すために体を絞りつつ筋肉をなるべく落とさないようにして、シャープに戦える体を目指したという。その引き締まった体はジャストサイズのニットごしにもわかるが、パンイチで目覚めるシーンや、ショーパブのような場所でのビキニパンツ姿での「もっこりショー」でも明らかだ。 この「もっこり」が、本作を実写化する上ではかなり〝取扱注意〟の要素だったと思われる。獠は〝無類の女好き〟で、原作漫画ではセクシーな美女を前にすると股間が反応し、ありえない大きさに肥大化する。約35年前の漫画ではアリだったコミカルな描写は、令和が舞台の映像作品では賢明にデリートされている。 その代わりというべきか、冴羽獠は登場シーンで、ベートーベン交響曲第九番にのせて「もっこり」ソングを歌っている。「もっこり」はもはや記号でしかないので下品さは感じない。先の「もっこりショー」も、股間がまったくもっこりしていないので気まずさはゼロ。アキラ100%、なかやまきんに君ら芸人たちへのリスペクトが感じられる「裸踊り」は必見だ。 もっこりソングの歌詞と裸踊りの振り付けは、鈴木亮平によるものだとか。また、任務中に魅力的な女性に体がついつい反応してしまう場面では、獠の(ここで反応してしまってはいけない、鎮まれ!)という心の声が、鈴木の演技から伝わってきた。