消火活動を行う消防隊員＝１３日午後０時４０分、輪島市河井町輪島・河井

　13日午後0時10分ごろ、能登半島地震で倒壊し、解体作業中だった輪島市河井町、岩坂勉さん（65）の住宅から出火、全焼して約7時間後に消し止められた。けが人はいなかった。解体作業待ちとなっていた隣の空き店舗1棟にも延焼した。 　輪島署と奥能登広域圏事務組合消防本部によると、岩坂さんの住宅では午前中に解体工事が行われており、出火当時は休憩中だった。煙が上がっているのを見た付近住民が119番通報した。同署などは14日に実況見分して出火原因などを調べる。 　延焼した空き店舗の関係者は「あっという間に屋根から火が上がった。火災に遭った後でも地震による公費解体の対象として撤去してほしい」と話した。 　このほか、火災現場から南西に約100メートル離れた2階建てアパートの屋根から煙が上がっているのが見つかり、間もなく消し止めた。 　消防などによると、地震で棟瓦がずれ、瓦の下の木材が露出して着火しやすかったといい、署は飛び火の可能性があるとみている。輪島では13日午後1時時点で、風速6・2メートルの北東の風が吹いていた。 　消防に促されて室内から避難したアパートの男性住民（60）は「棟瓦がずれていることは知らず、まさか自分のアパートでも出火したとは思わなかった」と話した。