<BOX>井上尚弥のV4戦は12・30に前王者・河野と日本人対決!
年末のボクシングのトリプル世界戦が発表された。12月30日に有明コロシアムで行われるものでメインはWBO世界Sフライ級王者、井上尚弥(23、大橋)の4度目の防衛戦。挑戦者は、前WBA同級王者の河野公平(35、ワタナベ)で、防衛戦では初の日本人対決となる。また井上の実弟、拓真(20、大橋)もWBO世界バンタム級王者、マーロン・タパレス(24、フィリピン)に世界初挑戦。亀田3兄弟以来となる兄弟チャンピオンを目指す。 肩の故障で防衛戦ができていなかったIBF世界ライトフライ級王者、八重樫東(33、大橋)も2度目の防衛戦を行う予定で、今月にフィリピンで行われる暫定世界王者決定戦の勝者との試合がIBFから指令されている。ロンドン五輪銅メダリストの清水聡(30、大橋)も前座カードでプロ転向2戦目のノンタイトル戦を行う。 難産の末、決まった井上尚弥のカードは、過去42戦のキャリアを誇る前世界王者。展開が読みにくい面白いマッチメークだ。大橋会長が舞台裏を明らかにする。「ランキングの上位や強豪選手に当たっていたが、どの選手にも逃げられて困っていた。渡辺会長に相談したところ名乗りを挙げてくれた。河野選手はキャリアがあって怖い選手。コンセプシオン戦も負けていない。私は事実上の統一戦と思っている」。 8月に河野を判定で破ったWBA同級王者のルイス・コンセプシオン(パナマ)との統一戦や、WBC世界同級王者のローマン・ゴンザレス(ニカラグア)との再戦を目論んで階級を上げてきた 前WBAスーパー 、WBO世界フライ級王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)らと交渉したが、不調に終わり、WBAのベルトを失ったばかりの河野に白羽の矢を立てた。 渡辺会長は、“最強井上”との試合には躊躇したが、河野に打診したところ「ぜひやりたい」と即決だったという。河野が言う。 「負けたショックで1か月、ボクシングのことを考えたくなかった。世界戦は二度とできないと思っていたところに話をもらってテンションがあがった。井上選手はパウンドフォーパウンド(階級を越えた最強王者の意味)。一番強いし、まったく隙はない。でも僕は、挑戦者。すべてを出し切って思い切りいく。これが最後と思って戦う」。