紅白歌合戦は今年で見納めか…NHKが掲げたテーマ「あなたへの歌」への違和感
NHKが19日に「第75回紅白歌合戦」の出場歌手を発表した直後、会場にいたマスコミ関係者から「パッとしないな」との声が漏れたのも仕方ないだろう。大ベテランの3人組THE ALFEEが実に41年ぶり2回目、GLAYは25年ぶり4回目の出場。高橋真梨子も7年ぶりに出場するが、旧ジャニーズ一派の2年連続出場ゼロの話題がそれら以上に世間の関心を集めたのではないか。現場のスポーツ紙などの芸能記者たちもそうで、制作統括の大塚信広チーフプロデューサーに真っ先に質問していた。大塚氏はこう答えていた。 【写真】化粧と見間違えるほどに深い橋本環奈の目の下の「クマ」を見る 「スタート社のみなさんとのお話し合いの中で、そうした判断になりました。個人的に交渉したけれど、参加できないのは残念に思っている。詳細はお伝えできない」 大塚氏らは旧ジャニ勢の再起用に躍起だったものの、出場ゼロに終わった背景として、先のNHKスペシャル「ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像」がスタート社の機嫌を損ねたとの臆測も報じられた。これに対して、大塚氏は「影響はなかったです」と強く打ち消した。 NHKは今年の紅白のテーマとして「あなたへの歌」を掲げ、さまざまな年代や性別の視聴者に届くアーティストを選定と喧伝している。大塚氏は「僕たちとしては、もちろん多くの皆さんに見ていただきたいという思いでつくっています。なので、旧ジャニーズさんがというところよりも、毎年毎年の発表がベストだと思っている」と強弁してみせたが、一体この言葉にうなずいた視聴者が世間にいるのだろうか。 ■過去最低視聴率の更新となるか かねて若い世代を中心に「オワコン」と呼ばれる紅白歌合戦だが、それでも中森明菜やB'zなど出場を期待する歌手やグループもあった。しかし蓋を開けてみれば、そんな目玉はどこにもなく「完全にオワコン」との声がネットにあふれたと報じられる始末。「第1部、第2部ともに視聴率過去ワーストとなった昨年の記録を更新するのではないか」との見方があがり、それがネットでは最大に近い関心事となっているのだからどうしようもない。芸能リポーターの小柳美江さんはこう言う。 「たしかに大きなサプライズはありませんでしたね。イルカさんも久しぶりに出演されて、さまざまな年代に届くような選定なのかもしれません。ただ、かつては当落という言葉がメディアに飛び交うくらいの注目度で、紅白に出場すること自体が世間の大きな話題になっていました。常連のベテラン歌手が落ちたり、初出場の歌手の喜ぶ姿を長年取材してきましたが、もはや当落で一喜一憂する時代ではなくなっています。『紅白に出ると10年は営業できる』といわれた時代もありましたが、それも昔。紅白ならではの演出も時代遅れのような気がします。あまり過剰な演出をしないで、歌をじっくり聴かせる番組にしたほうが視聴者が戻ってくるのではないかと思います」 テーマの「あなたへの歌」が誰を意図しているのかもあまり伝わっていない。国民の誰もが口ずさむようなその年の流行歌が聞こえなくなり、お茶の間でこたつを囲み、家族で大みそかの夜を迎えるという風物詩ももはや過去のものとなっている。そんななか、いつまでも変わり映えのない紅白歌合戦も時代の流れとともにその使命を終えているということなのだろう。史上最低視聴率更新は確実視されている。中高年世代から「今年で見納め」と見限られても何ら不思議ではない。 ◇ ◇ ◇ 2年連続で「Noジャニーズ」となった紅白。当然、同社の「Snow Man」は出場しないが、同グループにとって紅白に出られないことは単なる不出場に留まらない可能性がある。 関連記事【もっと読む】Snow Man「紅白出演なし」でメンバーの大河出演と紅白司会も消滅? NHKとの“決別”にファン賛否…では、宮舘涼太と深澤辰哉の将来の夢が遠のく可能性について伝えている。