鈴鹿サーキットに「Honda RACING Gallery」がオープン! ホンダがF1初出走してから60年の歴史を常設展示で体感しよう
「写真映え」する展示方法に注目
2024年4月5日、鈴鹿サーキットに「Honda RACING Gallery」がオープンしました。これは、ホンダがF1初出走を果たしてから60年目の春を記念して誕生したもので、施設内には常設展示と企画展示の2種類が用意され、ホンダの勝利を掴んできたマシンをじっくりと見ることが可能です。 【画像】オープンしたばかり!「Honda RACING Gallery」を見る(全6枚)
F1マシンやエンジンの造形美を堪能できる
レッドブル・ホンダRBPTがワンツーフィニッシュ、角田裕毅が10位入賞でポイントを獲得し、10万2000人(決勝日)の観客が沸いた、2024年のF1日本グランプリ。初の春開催で、ちょうど桜の満開の時期とも重なり、話題豊富なレースだった日本グランプリの初日、4月5日(金)に鈴鹿サーキットの場内、大観覧車のすぐ脇に「Honda RACING Gallery」がオープンした。 Honda RACING Galleryは、以前「レーシングシアター」だった場所をリニューアルした施設で、10台以上のホンダの歴代F1マシンと、3基のF1エンジンと1基のパワーユニットを展示。1964年にはじまったホンダのF1挑戦の歴史を、じかに感じられるギャラリーになっている。 これまでもホンダの歴代F1マシンは、もてぎのホンダコレクションホールや東京・青山のホンダ本社(Hondaウエルカムプラザ青山)で眺めることができたが、ホンダ レーシングの聖地である鈴鹿サーキットには常設展示がなかった……。それがホンダによるF1初出走から60年目の春、満を持して鈴鹿に常設ギャラリーが誕生したというわけだ。 その一番の特徴は、「写真映えする」展示方法にある。
企画展示エリアは常時予約不要で入場定員もなし
館内は黒を基調とした内装で統一されており、展示マシンにスポットライトを当てることで、F1マシンやそのエンジンの造形美を堪能することができる。余分な光がないため、陰影が鮮やかで、スマホで撮影しても機能美のわかりやすい写真が撮れるのがうれしいところ。 また、1階の常設展示エリアは30分単位の入替制(入場定員100名)となっているので、入場者がマシンの背景に立ってノイズになってしまうことも少なく、ゆっくりマシンを眺めたり、撮影したりしやすく配慮されているのも新しい試みとなっている(その代わり、F1開催期間など特定日は、1階常設展示エリアへの入場に事前予約が必要)。 ちなみに、この1階常設展示エリアのテーマは「Honda F1 勝利への系譜」。メインホール中央の、1965年のメキシコグランプリで初勝利を飾ったホンダRA272からはじまり、ウィリアムズ ホンダFW11B、マクラーレン ホンダMP4/5、さらに2021年にマックス・フェルスタッペンがドライバーズチャンピオンを獲得したレッドブル レーシング ホンダRB16Bまで、1960年代、1980年代、1990年代、そして2000年以降の各時代を象徴するホンダのF1マシンをずらりと展示。 それらのマシンの背面には、各マシンを象徴する数字を大きなパネルで表示し、その数字を起点に勝利のストーリーを楽しめるような展示となっているのも興味深い。日本グランプリ期間中の3日間(決勝走行時間帯を除く)は、事前予約で一杯になり、キャンセル待ちが出るほどで、多くの人で賑わっていた。 一方、地下1階は企画展示エリア。こちらは常時予約不要で、入場定員も特になし。 6月中旬までは、「Honda F1 日本人ドライバー」がテーマの企画展となっており、ホンダとともに戦った日本人F1ドライバーにフォーカスしている。展示エリアには、ロータス ホンダ100T、スーパー アグリ ホンダSA07、スクーデリア アルファタウリ ホンダAT02の3台の勇姿があった。夏以降は、SUPER GTや全日本スーパーフォーミュラ選手権、鈴鹿8時間耐久ロードレースなどのレーシングマシンを展示する予定もあるとのこと。レース観戦やレジャー等で鈴鹿サーキットを訪れたら、ぜひとも立ち寄りたいスポットだ。
藤田竜太