「AKB48」主力メンバー大量卒業で問われる真価
8月21日にリリースされたアイドルグループ「AKB48」の32ndシングル『恋するフォーチュンクッキー』が発売初週で133万枚を売り上げて、通算14作目のミリオンを達成してみせた。 05年の結成当時は“アキバ”の、いちアイドルグループに過ぎなかった「AKB48」も、昨年8月にはデビュー以来の悲願だった東京ドームでのコンサートを開催。シングル曲の歌唱メンバーをファン投票によって選出する「選抜総選挙」はテレビ番組で中継されて毎回高い視聴率を記録している。 人気メンバーたちはアイドルの枠を超えて、ドラマや映画、舞台、バラエティーでも活躍する中、グループとしても国内に3つ、国外に2つの姉妹グループを持ち、“日本の国民的アイドルグループ”として国内外から大きな支持を集めている。 ■主力メンバーが“大量卒業” 今やアキバから日本、そして世界へと活躍の場を広げているAKB48グループだが、最近危惧されているのがこれまでグループを支えてきた“カリスマメンバー”たちの大量卒業による今後の人気低迷だ。 今夏に東京、大阪、名古屋、福岡、札幌を舞台に展開された“真夏の5大ドームツアー”では、初期メンバーの篠田麻里子(27)、板野友美(22)、2期生で「チームK」のキャプテンも務めた秋元才加(25)の卒業セレモニーが行われ、「AKB48」から巣立っていった。 グループ全体を見回しても、2月には姉妹グループ「NMB48」から福本愛菜(20)が、3月には「SKE48」から秦佐和子(24)が、4月には「SKE48」から矢神久美(19)、小木曽汐莉(20)、平松可奈子(21)らが卒業した。 今年に入ってからの相次ぐ人気メンバーたちの離脱に不安の声が上がるのも自然な流れだが、各グループの創成期を支えた先人たちが、アイドルからソロとして女優や歌手など芸能生活の“第二章”に歩みを進められる背景には、後輩たちの著しい成長がある。 ■若手が台頭 総選挙1位・指原も“ベテラン”ではない 今年6月に開票された「第5回AKB48選抜総選挙」で1位に輝き、『恋するフォーチュンクッキー』のセンターを務めている「HKT48」の指原莉乃(20)はドラマやバラエティー、CMなどでマルチな活躍を見せており、露出や話題の多さから“ベテラン”に思われがちだが、実際は5期生メンバーの1人である。 また、同選抜総選挙では、次世代エース候補とされる10代の「AKB48」の渡辺麻友(19)や「SKE48」の松井珠理奈(16)、「AKB48」の島崎遥香(19)に加えて、「NMB48」の山本彩(20)や渡辺美優紀(19)、「SKE48」の須田亜香里(21)といった姉妹グループのメンバーも選抜入り。 国内では最後に誕生したグループで、今年3月に『スキ!スキ!スキップ!』でCDデビューしたばかりの「HKT48」からも、元「AKB48」の指原以外に5人のメンバーが上位64名の圏内入りしたことを見ても、着実に世代交代は進んでいることが分かる。