海外で戦う女子プロレスラー 日本と海外、シングルとタッグのトレーニング法に迫る【白川未奈(後編)】
「意識の問題にはなると思うんですけど、シングルのタイトルマッチが控えていると、誰かと外食に行くことはなくなりますね。メッチャ集中してお酒も飲まない。ふだんはストレスにならない程度に飲むけど、タイトルマッチ前に飲んだらダメなような気がするし、飲むと次の日のトレーニングの質も悪くなる気がするんですよね。なので、シングルのタイトルマッチがあるときは自分をとことん追い込みます。お酒も抜くし、食事はクリーンに。脂質をなるべく取らないようにしてタンパク質や糖質に気をつけます。ふだんから低糖質の食事にしていて、トレーニングの強度は下げないで体を絞っているんですが、タイトルマッチの前日にはあえて糖質のものをメッチャ食べるんです。なぜなら、そのほうが筋肉が張ってパワーがガツンと入るので。気分的にも上がりますし。タッグは、シングルとはまた違いますね。(リングへの)出たり入ったりが多いので、意外と脈の上がり下がりが激しいです。シングルだと自分のペースで運びやすいけど、タッグだとパートナーが危ないときに助けに入ったりとか。そういう心拍数のアップダウンがあるので、それに備えるためにランニングマシンでトレーニングします。傾斜をつけて、ダッシュしてウォーキングしてを繰り返す。1分走って1分歩くって感じで、これを20分くらいやりますね。最後は速足くらいのウォーキングで、ヘトヘトになりますよ。これがタッグマッチに向けての準備になります。シングルのほうが疲労はあるけど、息が乱れるのはタッグとか6人タッグマッチなんです」 体づくりや打撃&格闘技の練習を含め、白川のトレーニングすべてはプロレスの試合を想定して行なわれている。しかも時差のある海外や試合形式など、状況に応じて具体的に対応していくのが、ちゃんみな流。コンディションのよさは、彼女の試合を見るたびに伝わってくる。
取材・文・写真/新井宏 写真提供/STARDOM