隆の勝（左）を攻める琴桜。上手投げで下す

◇22日　大相撲九州場所13日目（福岡国際センター） 　大関琴桜（２７）＝佐渡ケ嶽＝が平幕隆の勝（３０）＝常盤山＝を上手投げで下し、豊昇龍（２５）＝立浪＝は大の里との大関対決をとったりで制し、１敗を守った。隆の勝は３敗に後退し、２敗が消えた。優勝争いは、千秋楽で琴桜と豊昇龍の対戦が予想されるため、事実上２大関に絞られた。 　きっちり結びを締めた琴桜が、優勝争いを豊昇龍との事実上の一騎打ちに持ち込み、年間最多勝争いでも先頭に並んだ。２敗で追走していた隆の勝を右差しで食い止め、最後は左からの上手投げで仕留めた。 　「内容は良くないけど、最後まで慌てずにいけた」。立ち合いで先に右差しを許して押し込まれる場面もあったが、場所後半でも「残念ながら（体重は）減らない」という重い腰で踏ん張った。 　１０連勝で自己最長を更新。八角理事長（元横綱北勝海）が「勇気がある。『はたかれてもいいんだ』くらいの気持ち」と積極性を評価したように、内容も充実している。 　一年納めの最終コーナーで、差し切り態勢だ。場所前は星の差４つの２番手につけていた年間最多勝争いで６４勝目。先頭を走っていた大の里に並んだ。１４日目は直接対決。「目の前の一番に集中してやるだけ」と琴桜。勝ってタイトルを確定させ、悲願の初優勝へ弾みをつける。