頼次期総統、対日重視強調 台湾、八田技師の慰霊祭
【台南共同】台湾次期総統の頼清徳副総統は8日、日本統治時代に南部・台南市の烏山頭ダムなどの水利施設建設を主導した金沢市出身の日本人技師、八田與一(1886~1942年)の慰霊祭に出席した。頼氏は「烏山頭ダムが台湾人と日本人の感情を近づけた」と八田の功績をたたえ、20日の総統就任後も各分野で日本との協力を重視したいと表明した。 ダムを中心とする大規模な水利施設の建設が不毛な土地を豊かな穀倉地帯に変えたことから台湾で八田は今も慕われている。対日関係を重視する頼氏は2010年に台南市長に就任して以降、毎年慰霊祭に出席してきた。 頼氏は、日台は自然災害など互いに困難に遭った際に助け合う関係があると説明。総統就任後は特に(1)人的交流の活発化(2)半導体などの産業分野の協力(3)インド太平洋の平和と安定維持のための努力―を通じて日本と連携を強化したいと述べた。