役所広司さんも舞台あいさつ 日本映画の巨匠・小津安二郎監督が愛した長野県茅野市で23日から映画祭
長野県茅野市の蓼科高原を晩年の仕事場とした日本映画の巨匠、小津安二郎監督(1903~63年)の名を冠する「第27回小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」は、23~29日の日程で茅野市民館や茅野新星劇場などで開く。23~26日は恒例の「短編映画コンクール」の受賞作を、28、29日に諏訪地域ゆかりの作品や話題作など計15作品を上映する。 【写真】昨年の映画祭の様子 昨年の小津監督生誕120年に続き、今年は小津作品の常連俳優で、蓼科に別荘を構えた名俳優・笠智衆(りゅうちしゅう)(1904~93年)の生誕120年に当たる。28日午後0時半から市民館でのオープニングセレモニーに続き、28日午後1時から笠が出演する小津作品「父ありき」(1942年)を上映する。 28日午後7時からは市民館で、小津作品を敬愛するドイツのビム・ベンダース監督の作品「PERFECTDAYS(パーフェクト・デイズ)」を上映。主演で昨年の仏カンヌ国際映画祭で男優賞を獲得した役所広司さんが上映前に舞台あいさつする。 29日には主に諏訪地域で撮影された是枝裕和監督の作品「怪物」と、富士見町や原村で撮影され、昨年のベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)に輝いた濱口竜介監督の作品「悪は存在しない」を上映する。 この他にも話題作が登場。岡谷市旧市役所庁舎などでロケをし、日本作品初の米アカデミー賞視覚効果賞に輝いた、松本市出身の山崎貴監督の作品「ゴジラ―1・0(マイナスワン)」(29日午後4時55分~、茅野市民館)などが上映される。 23~26日は新たな試みとして、過去の小津映画祭の短編映画コンクールで受賞した作品や今年の短編エントリー作品など約40作品をJR茅野駅前ビル・ベルビア内にあるライブハウス「ピアノマン」で無料で上映する。 映画祭の企画室長、北原享さん(66)=茅野市仲町=は「映画祭だからこそファン同士の交流もある。映画ならではの感動を通じ映画の良さを若い人にも伝えていきたい」と話していた。 詳細は映画際のウェブサイトで。茅野市民館、新星劇場の席は自由席で先着順。映画1本につきチケット1枚が必要。1回券は当日1200円、前売り千円(学生、子どもは前売り800円、当日千円、3歳以下無料)。4枚綴りの回数券は3500円。