山下智久×職業ドラマの計り知れないパワー 『ブルーモーメント』晴原役はハマり役の予感
2024年4月期放送のフジテレビ系水10ドラマ『ブルーモーメント』で山下智久が主演を務めることが発表された。 【写真】『ブルーモーメント』山下智久ビジュアル 本作は、『COMIC BRIDGE』(KADOKAWA)で連載中の小沢かなによる同名コミックを原作としたヒューマンドラマ。甚大な気象災害によって脅かされる人命を守るべく、知恵と知識を駆使して現場の最前線に立ち、命がけで救助に立ち向かうSDM本部(特別災害対策本部)メンバーの奮闘を描いた作品だ。 5年ぶりの民放ドラマで主演を務める山下が、今回演じるのはSDM本部のチーフ/気象研究官を務める主人公・晴原柑九朗。晴原は、気象庁気象研究所の研究官であり、報道番組のお天気コーナーに出演する一面と、気象災害から人命を守るために活動するSDM本部のメンバーとしての姿と、2つの顔を持つ。 山下がフジテレビ系ドラマの出演および主演を務めるのは、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 3rd season』以来7年ぶりのこと。『コード・ブルー』シリーズは2008年の1st seasonにはじまり、2010年に2nd seasonを、2017年からスタートした3rd seasonは“月9”枠で放送されたのに加え、翌年2018年には劇場版が公開されるなど、ロングスパンで愛されてきたシリーズ作品だ。 『コード・ブルー』で山下が演じたのは、救命センターでフライトドクターを目指す医師・藍沢耕作。毎話、そしてシーズンを重ねるごとに藍沢の心情の変化が細かく描かれており、視聴者も藍沢の奮闘や苦悩、成長を見守ってきた感覚だ。共演の新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介らも同様に、医師や看護師としての成長ぶりに加えて、キャスト陣の活躍も一緒になって喜ぶような、ドラマ内外問わずに深い魅力があった。 山下は、藍沢耕作の生い立ちを踏まえた冷静沈着でややドライな性格を熱演した。表情やセリフ回しはもちろん、立ち居振る舞いをひっくるめて全身全霊というほどに藍沢耕作=山下智久のイメージを不動のものにした。シーズンごとに藍沢のポジションも変化していくのだが、自身が年齢を重ねたからこそ出る渋さに加え、鍛えたボディによる立ち姿、走り姿からも貫禄が出て、一段と説得力を増していた。 英語が堪能なことでも知られる山下。日本のドラマやバラエティ番組、さらには海外のドラマ作品でもそのスキルを活かしている。2019年には中国映画『サイバー・ミッション』、2020年に配信ドラマ『THE HEAD』(Hulu)、2022年にはNetflix映画『マン・フロム・トロント』などにも出演してきた。人気俳優の座にあぐらをかくことなく、グローバルな活動を見据えた努力が実を結んでいる。一方、SNSではかわいらしい一面をのぞかせることも。そんな人柄ゆえ、山下の芝居からはどんな役柄であっても、深みや人間らしい温かみが感じられるのだ。 さて、山下が『ブルーモーメント』で演じる晴原柑九朗は、端正な顔立ちと爽やかな笑顔がトレードマークと紹介されているが、その姿を見る前から山下と重なって仕方ない。また、『コード・ブルー』シリーズから影響を受けて実際に医師を目指したという人がいたというだけ、に職業ドラマが持つパワーは計り知れない。今作で山下が演じる晴原に影響される人も出てくるのではないだろうかと期待が高まる。放送までにはまだ3カ月以上あるが、早くも山下のハマり役の予感がしてならない。
柚月裕実