横浜、東京SGに逆転負けも充実の4位…沢木監督「価値がある」SO田村優「チームの成長を考えれば、去年よりうれしい」
◆ラグビー ▽リーグワンプレーオフ3位決定戦 東京SG40―33横浜(25日・秩父宮) 昨季と同カードとなった3位決定戦は、東京SG(旧サントリー)が横浜(旧キヤノン)を40―33で退け、昨年敗れた雪辱を果たした。横浜は後半に一時19点差をつけたが逆転負け。試合後、沢木敬介監督は会見で「負けたのは、全部俺の責任。監督の責任だし、選手は最後も同点ではなく、トライを取りにいった。そういうことが大事」と、後半40分にミスから相手に勝ち越しトライを許した場面を踏まえ、選手をねぎらった。 横浜は序盤から試合を優位に進め、前半を26―14とリード。後半3分には一時33―14としたが、その後4連続トライを許し逆転負けした。33―33の後半40分には、敵陣での攻撃中にBK普久原琉が足を滑らせ、SO田村優のパスがこぼれた。ボールを拾った東京SGのBK江見翔太が独走。勝ち越しトライにつながった。 横浜の沢木監督は試合後「最後は、ドリフみたいな終わり方をしたけど…」と笑みも交えて回顧。ミスにはなったが「あそこでスローラックを作るのは、イーグルスのラグビーじゃない。優を中心に得点する意思を見せての結果なので。もちろん負けは悔しいが、最後までスタイルを信じて選手がやってくれたのは、価値がある」と語った。会見に同席した田村も同意。「負けたが、価値ある負けというのはないのかもしれないが、この(準決勝からの)2試合はそういうのなんじゃないか、と感じている」と充実の表情だった。 横浜は昨季初めてプレーオフに進出し、過去最高の3位。今季も4強に残り、力を示した。南アフリカ代表で主軸のSHデクラークや、CTBクリエルをケガで欠く時期もありながらの上位進出。沢木監督は「今、イーグルスはパナソニック(現埼玉)やサントリーのように、常に上位にいる、歴史あるチームではない。何事にもチャレンジして、チャレンジの文化を作らないといけない。そういうところでいうと、ギリギリのところを耐えてトップ4に入れたところは成長。今日も、自分たちのラグビーでスコアを取りに行くというパッションが伝わってくる試合だった。それが大事」と手応えを語った。 最終順位では昨季より下回ったが、田村は言う。「チームの成長ぶりを考えたら、去年よりうれしさはある。悔しさはあるが、優勝するために必要な段階を踏んでるんじゃないかなと」。チームの指揮官、司令塔ともに普久原を責める言葉は一切無し。田村は「彼が消えました、急に(笑い)」と振り返りつつ「これが、来年の決勝戦で出なくてよかったなと。彼は素晴らしい才能がある若手の1人。練習して、あれをトライにまで持って行く選手になる」と、23歳の更なる成長に大きな期待を寄せた。
報知新聞社